セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研36:腹壁瘢痕ヘルニア術後メッシュ感染による腹壁膿瘍にPlasmablastic lymphoma(PBL)を合併した症例 |
演者 | 原武 直紀(済生会福岡総合病院外科) |
共同演者 | 定永 倫明(済生会福岡総合病院外科), 中川原 英和(済生会福岡総合病院外科), 池上 徹(済生会福岡総合病院外科), 萱島 寛人(済生会福岡総合病院外科), 伊東 啓行(済生会福岡総合病院外科), 江見 泰徳(済生会福岡総合病院外科), 松浦 弘(済生会福岡総合病院外科), 松島 孝充(済生会福岡総合病院内科), 江原 道子(済生会福岡総合病院病理), 中島 明彦(済生会福岡総合病院病理), 岡留 健一郎(済生会福岡総合病院外科) |
抄録 | 【はじめに】Plasmablastic lymphoma(PBL)は、HIV感染者の口腔領域に発生することの多いびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の比較的稀な亜型である。今回、腹壁瘢痕ヘルニア術後メッシュ感染による腹壁膿瘍に、PBLを合併した症例を経験したので報告する。【症例】80歳代女性。13年前直腸癌に対し低位前方切除術施行。9年前腹壁瘢痕ヘルニアに対しメッシュを用いたヘルニア根治術施行。1年前よりヘルニア根治術創部から排膿を認め、近医にて包交処置を続けていた。症状増悪したため当院受診。来院時、腹部中央部に発赤、硬結と、創部からの排膿を認めた。また38度台の発熱を伴う高度炎症(WBC10500、CRP17.8)を認め、CTにて腹壁瘢痕ヘルニア術後メッシュ部に膿瘍を認めた。腹壁瘢痕ヘルニア術後メッシュ感染による難治性腹壁膿瘍の診断にて入院。抗生剤投与と膿瘍ドレナージにて炎症が改善した後、感染源であるメッシュ除去術を施行。膿瘍は皮膚、皮下組織、腹直筋前鞘前面を覆うメッシュにて形成されており、膿瘍をメッシュと一塊に摘出した(10X5cm)。術後順調に経過し術後17日退院。病理診断で、膿瘍内のメッシュ近傍の皮下組織内に腫瘤を認め、類円形の核を有する異型細胞の増殖を認めた。異型細胞は免疫染色にて、LCA、MUMI、EBV-ISHに陽性、CD20に陰性を認め、PBLの診断であった。なお、HIV陰性であった。【まとめ】腹壁瘢痕ヘルニア術後メッシュ感染による腹壁膿瘍にPBLを合併した稀有な症例を経験した。 |
索引用語 | Plasmablastic lymphoma, 腹壁膿瘍 |