セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専34:経皮的ラジオ波焼灼術施行4ヶ月後に凝固壊死組織の胆管内穿破による閉塞性黄疸を来たした一例 |
演者 | 山島 美緒(長崎市立市民病院消化器内科) |
共同演者 | 福島 真典(長崎市立市民病院消化器内科), 重野 賢也(長崎市立市民病院消化器内科), 池田 幸紀(長崎市立市民病院消化器内科), 堤 卓也(長崎市立市民病院消化器内科), 山川 正規(長崎市立市民病院消化器内科), 楠本 征夫(長崎市立市民病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学医学部歯学部附属病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学医学部歯学部附属病院消化器内科) |
抄録 | 症例は59歳男性。C型慢性肝炎、肝細胞癌治療後にて当科通院中に肝S4に径1.5cmの肝細胞癌再発を認めたため、エコーガイド下にラジオ波焼灼術(RFA)を施行した。術後4ヶ月に腹痛、皮膚黄染にて当科受診。黄疸と肝胆道系酵素上昇を認めたため、入院となった。腹部CTでは左右肝内胆管の拡張と三管合流部に高吸収域を認めたため、緊急で内視鏡的逆行性胆管造影(ERC)を施行し、内視鏡的乳頭切開術(EST)の後、総肝管より胆泥様物質を摘出した。EST3日後の腹部CTでは、肝内胆管の拡張は軽快し、胆管内の高吸収域は消失していた。また4ヶ月前に施行した肝S4のRFA後低吸収域が右肝管~前区域枝と密着し、壁構造の介在が見られなかったことから、交通が疑われた。EST1週間後に経口胆道鏡にて胆管内を観察したところ、前区域枝付近の正常胆管壁の構造は破壊されており、内腔に突出した黒色調の壊死組織を認めた。またEST2週間後の腹部CTでは、胆管と交通していたと思われるS4のRFA後低吸収域は著明に縮小し、内部にair bubbleがみられた。本症例においては1)CTにてRFA後低吸収域が胆管と連続していたこと、2)胆道鏡にてRFA後部位と連続していると思われる部位の正常胆管壁の構造は破壊され、内腔に壊死組織を認めたこと、3)EST前後でRFA後低吸収域が縮小しているという画像の変化より、RFA後の凝固壊死組織が胆管内に穿破して閉塞性黄疸を引き起こし、壊死物質がESTをきっかけに胆道より排出されたと考えた。われわれが医学中央雑誌、PubMedで検索し得た限り、本症例のようにRFA後の凝固壊死組織が胆管内に穿破したというような報告はなく、まれな症例であると思われるので、文献的考察を加え、報告する。 |
索引用語 | ラジオ波焼灼術, 閉塞性黄疸 |