セッション情報 ワークショップ3「消化器疾患に対する低侵襲手術(ビデオ)」

タイトル WS3-08:

完全腹腔鏡下結腸・直腸切除再建術:NOTES(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)につなげる完全鏡視下手術の検討

演者 久保 信英(九州大学)
共同演者 中ノ子 智徳(九州大学), 園田 英人(九州大学), 江頭 明典(九州大学), 大賀 丈史(九州大学), 森田 勝(九州大学), 掛地 吉弘(九州大学), 池田 哲夫(九州大学), 辻谷 俊一(九州大学), 鴻江 俊治(九州大学), 前原 喜彦(九州大学)
抄録 【はじめに】腹腔鏡補助下大腸切除術は大腸がんの低侵襲治療として適応は広がっている。しかし、普及している手術手技は結腸の切離および再建は体外で行なうのが一般的で病巣切除およびリンパ節郭清も体外操作で完成しているのが実状であり、完全鏡視下手術、Hybrid NOTES更にはPure NOTESへとつながる手術手技ではないと考えられる。我々は結腸、直腸癌に対して腸管授動、リンパ節郭清のみでなく腸管切断および再建の全てを腹腔鏡下に行なっており、その方法をビデオで供覧し有用性と問題点に関して検討する。【対象】完全鏡視下手術を試みた、結腸癌38例、直腸癌6例(期間:平成15年7月から22年8月、男:女=28:16、年齢40-88歳)【手術方法】リンパ節郭清と血管処理、腸管の切断を腹腔内で行なった後、結腸癌に対しては、腸管の再建を腹腔内にて60-mm Linear Cutter 2回にて機能的端々吻合を行なった。直腸癌に対しては腹腔内にて口側結腸に巾着縫合を行ないCircular StaplerのAnvil Headを装着し、肛門より挿入した本体と合体させ吻合した。直腸癌7例中3例はDouble Stapling Technique (DST)で吻合したが、3例は肛門側直腸にも巾着縫合を行ない肛門より挿入した本体とSingle Stapling Technique(STD)で吻合した。残りの1例は超低位であったため標本は肛門より摘出し肛門より手縫い吻合した。【手術成績】完全腹腔鏡下手術を試みた44例すべて完全鏡視下に手術を達成できた。手術時間は結腸癌で平均188分(95-365分)、直腸癌で平均220分(165-380分)で術後、吻合不全や重度の創感染などの合併症は認められなかった。【まとめ】結腸、直腸癌に対して腹腔内での結腸切除、再建は可能で、安全な方法だった。完全鏡視下手術からNOTESへの応用が期待される。
索引用語 完全鏡視下手術, 大腸