セッション情報 一般演題

タイトル 106:

大腸癌化学療法における末梢血 CD3CD8 / CD4CD25Foxp3 Ratio の臨床的意義

演者 笹冨 輝男(久留米大学医療センター外科)
共同演者 大池 貴史(久留米大学医療センター外科), 内田 信治(久留米大学医療センター外科), 竹内 正昭(久留米大学医療センター外科), 村上 直孝(久留米大学医療センター外科), 白水 和雄(久留米大学医学部外科), 矢原 敏郎(久留米大学医療センター外科), 山口 圭三(久留米大学医療センター外科), 緒方 裕(久留米大学医療センター外科)
抄録 【目的】大腸癌の化学療法は最近ではFOLFOXやFOLFIRIなどすぐれた多剤抗癌剤併用レジメンが開発され、標準治療となってきている。これらの事実をふまえ、今回われわれは転移再発大腸癌に対し、標準的抗癌剤レジメン施行中の患者の免疫学的宿主応答をモニターし、その臨床的意義を調べてみた。【方法】2008 年9月から2009年10月までに化学療法を開始した術後転移再発大腸癌患者14名 について、抗癌剤投与前後の末梢血単核球(PBMC)キラーTリンパ球(Cytotoxic Lymphocytes CTL / CD3 CD8 陽性)、制御性リンパ球(Regulatory T lymphocytes T reg / CD4 CD25 Foxp3 陽性)を末梢血単核球の性状をFax Scan により測定しそれらの比(CTL/T reg Ratio) と腫瘍marker(CEA, CA19-9)の値の変化との関連性を解析した。【成績】CTL数は腫瘍marker低下例では低下していたが、腫瘍marker不変または上昇例でも低下していた。T reg 数は腫瘍marker低下例で低下し、腫瘍marker不変または上昇例でも低下していた。CTL/T reg Ratio は、腫瘍marker低下例では投与後に有意に上昇し、腫瘍marker不変または上昇例では有意に低下していた。【結論】今回の検討では大腸癌進行再発症例において末梢血CTL/Treg 比は抗癌剤投与前後の腫瘍Markerの変化と有意に関連性があることがわかった。 腫瘍marker低下例では初期から腫瘍の一部が壊されて血中に癌特異的蛋白が漏出し、このようなリンパ球の性状の推移がみられたと考えられ、抗癌剤に対する効果の予想にも有用ではないかと思われた
索引用語 大腸癌, 化学療法