セッション情報 一般演題

タイトル 85:

当院におけるクローン病に対するインフリキシマブの治療成績

演者 知念 寛(琉球大学)
共同演者 圓若 修一(琉球大学医学部 第一内科), 星野 訓一(琉球大学医学部 第一内科), 海田 正俊(琉球大学医学部 第一内科), 伊良波 淳(琉球大学), 新垣 伸吾(琉球大学医学部 第一内科), 柴田 大介(琉球大学医学部 第一内科), 金城 徹(琉球大学), 小橋川 ちはる(琉球大学), 井濱 康(琉球大学), 前城 達次(琉球大学医学部 第一内科), 岸本 一人(琉球大学), 仲本 学(琉球大学), 平田 哲生(琉球大学医学部 第一内科), 金城 渚(琉球大学), 山城 剛(琉球大学医学部 第一内科), 外間 昭(琉球大学医学部 第一内科), 金城 福則(琉球大学), 藤田 次郎(琉球大学医学部 第一内科)
抄録 【背景】2007年11月より、クローン病に対するインフリキシマブの計画的維持投与療法が保険適用となり、現在多くの症例でその維持投与が行われている。今回、当院におけるこれらの症例の現況について検討を行った。
【対象】2009年 3月 31日までに当院において、インフリキシマブ維持投与療法を導入した症例で、3回投与時までに寛解に至ったクローン病 48例について、2010年7月30日まで観察をおこない後方視的に検討した。インフリキシマブの投与量は5mg/kgで、初回投与後、2週、6週に投与を行い、以後8週間の間隔で投与を継続した。
【結果】48例中、男性は34例、女性は14例であった。導入時の年齢は、最年少13歳、最高齢61歳で、平均32.9歳、観察期間は最長52ヶ月、最短15ヶ月、平均26.3ヶ月であった。併用療法として、28例(58.3%)で1日900kcal以上のelemental diet(ED)摂取、41例(85.4%)で5-ASA内服、5例(10.4%)でAZA内服が行われていた。全体の累積再燃率は31.3%であった。併用薬剤と再燃との関連について単変量での解析では、ED併用群で17.9%、非併用群で45.0%で、有意にED併用群で再燃率が低く、オッズ比は3.76(95%信頼区間:1.017-13.91)であった。5-ASAやAZAの併用については再燃率との関連は認めなかった。経過中に手術に至った症例は9例あったが、いずれの症例でも狭窄が認められた。術後の再燃防止目的にインフリキシマブが導入された症例では、全例で腸管の部分切除及び機能的吻合術が施行され、現時点では全例が寛解を維持している。
【結語】観察期間が短期間で症例数も少ないため、現時点での結論は限定的ではあるが、今回の検討からは、ED 900kcalの併用群では有意に再燃率が低く、成分栄養療法の併用が有用であることが示された。また、術後の再燃予防に対してはインフリキシマブの維持投与療法が有用である可能性が示唆された。
索引用語 インフリキシマブ, 成分栄養療法