セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研38:診断に難渋した腸間膜腫瘍の一例 |
演者 | 後藤 敬子(社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院外科) |
共同演者 | 宮平 工(社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院外科), 国吉 史雄(社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院外科), 高橋 遼(社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院外科), 照屋 なつき(社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院外科), 澤岻 安勝(社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院外科), 村山 茂美(社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院外科), 花城 直次(社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院外科), 奥島 憲彦(社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院外科), 喜友名 正也(社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院病理) |
抄録 | 症例は44歳女性。2001年、子宮筋腫に対し手術、子宮腺筋症に対しスプレキュア点鼻にて治療していた。2008年9月、下腹部痛、ふらつきを主訴に当院救急を受診したところ、小球性貧血を認め、MRIおよびCTにて子宮腺筋症の所見であった。同時に、CTで造影効果がありMRIで子宮体部腹側にT2W1で低信号で内部に高信号を示す15×20mm大の小腸と連続する腫瘤も指摘され、GIST、メッケル憩室、リンパ腫、腸間膜腫瘍などが疑われた。2008年10月より子宮腺筋症に対しリュープリンを4回投与し、縮小傾向がみられた。2009年2月23日、単純子宮全摘術および小腸部分切除術を目的に入院となった。同月24日、手術を施行した。子宮摘出後、回盲部から30cm口側の回腸間膜に15mm程度の円形腫瘤を同定し、これを摘出した。病理組織診断の結果は転移性子宮筋腫であり、異所性子宮内膜の混在もみられた。子宮内膜症は、子宮内膜様組織が子宮腔内面以外の組織や臓器などに、異所性に存在し増殖するために生じる疾患である。腸管子宮内膜症は子宮内膜症全体の12‐13%を占めると報告されている。発生部位の分布は、直腸S状結腸72%、直腸膣中隔13%、小腸7%、虫垂3%である。一般に良性であるが、近年では子宮内膜症の悪性変化などの可能性も問題視されている。今回我々は比較的稀な、腸間膜に発生した異所性子宮内膜の混在する転移性子宮筋腫を経験したので報告する。 |
索引用語 | 腸間膜腫瘍, 子宮内膜症 |