セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 60:クローン病の経過中に消化管アミロイドーシスを合併した1例 |
演者 | 田中 啓仁(済生会川内病院 内科) |
共同演者 | 那須 雄一郎(済生会川内病院 内科), 小野 陽平(済生会川内病院 内科), 藤田 俊浩(済生会川内病院 内科), 大重 彰彦(済生会川内病院 内科), 重信 秀峰(済生会川内病院 内科), 青崎 眞一郎(済生会川内病院 内科), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 症例は50歳の女性。H13年頃より下腹部痛を自覚していたが、H16年より下腹部痛・下痢症状出現し、H17年3月当院にて、小腸・大腸型クローン病と診断し入院加療した。退院後、5-ASA製剤・ステロイドの内服にて寛解維持が得られていた。H21年7月頃より、左上腹部痛が出現したが自制内であった。H22年3月上旬より腹痛増悪し、下痢も頻回となり、食事摂取が困難となったため当院入院となった。血液検査ではCRPは6.89 mg/dlと上昇していた。下部消化管内視鏡検査及び注腸X線検査にて、直腸~横行結腸に縦走潰瘍、敷石状外観が多発し、クローン病の再燃と診断した。しかし、上行結腸下部~盲腸にかけては、びまん性の微細顆粒状陰影が認められ、経口小腸X線検査においても同様にびまん性の顆粒状陰影が広範囲に認められ、アミロイドーシスが疑われた。胃・十二指腸生検を行い、DFS染色でアミロイドの沈着を認め、また、血清アミロイドA蛋白の上昇を認め、クローン病に続発した消化管アミロイドーシスと診断した。絶飲食、IVH管理及びステロイド投与にて治療し、症状は軽快した。約4週間後の経口小腸X線検査では、上記異常所見は軽快ないし消失していた。アミロイドーシスは、慢性炎症性疾患に続発することが知られ、クローン病にも合併例が増えつつあり、本症の長期管理の問題点になりつつある。 今回、クローン病の経過観察中に消化管アミロイドーシスを合併した一例を経験したので報告する。 |
索引用語 | アミロイドーシス, クローン病 |