セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専19:胆嚢癌と鑑別困難であった慢性胆嚢炎の1例 |
演者 | 平原 正隆(国立病院機構 佐賀病院 外科) |
共同演者 | 中島 弘治(国立病院機構 佐賀病院 外科), 森内 博紀(国立病院機構 佐賀病院 外科), 円城寺 昭人(国立病院機構 佐賀病院 外科), 山口 淳三(国立病院機構 佐賀病院 外科) |
抄録 | 症例は61歳、男性。数年前より右季肋部痛を自覚していたが放置していた。背部痛と右季肋部痛を主訴に近医受診し、腹部超音波検査にて胆石および胆嚢壁の肥厚を指摘され当院紹介となった。右季肋部に手拳大の腫瘤を触れ、血液検査所見では肝胆道系酵素と炎症反応の上昇を認め、血清CA19-9は1400U/mlと高値であった。腹部CT・MRIにて胆嚢底部に限局性の胆嚢壁肥厚と、同部に腹壁に連続する腫瘤状構造物を認めた。しかし粘膜面の不整や乱れといった胆嚢癌を示唆する所見は認めなかった。また炎症反応の改善に伴い、血清CA19-9は120U/mlと改善を認めた。画像所見、臨床所見より胆嚢炎と診断し、開腹胆嚢摘出術を施行した。術中所見では胆嚢壁は著明に肥厚し、横行結腸と強固に癒着していた。結腸浸潤を伴う胆嚢癌も否定できず、胆嚢摘出術および右半結腸切除術を行った。最終病理診断は胆嚢壁の高度な線維化と微小な膿瘍形成を多数伴う慢性胆嚢炎であり、悪性所見は認めなかった。術前に胆嚢癌と鑑別が困難であった慢性胆嚢炎の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 胆嚢炎, 胆嚢癌 |