セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専20:Sister Mary Joseph's noduleを契機に診断された胆嚢癌の1例 |
演者 | 佐々木 彰子(熊本労災病院 消化器内科) |
共同演者 | 瀬戸山 博子(熊本労災病院 消化器内科), 千代永 卓(熊本労災病院 消化器内科), 藤江 里美(熊本労災病院 消化器内科), 吉松 眞一(熊本労災病院 消化器内科), 佐々木 雅人(熊本労災病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は61歳女性。60歳時に前額部の環状紅斑からの皮膚生検より皮膚サルコイドーシスと診断され加療中であった。初診の3ヶ月ほど前より、臍下部、臍部に下床との可動性がみられない皮下腫瘤が出現し、徐々に増大するため当院皮膚科にて皮膚生検を施行した。生検結果はinfiltration of adenocarcinomaであったため、原発巣検索目的で当科紹介となった。単純・造影CT、PET-CT、GF・CFにて精査を行った。造影CTにて造影効果に乏しい著明なびまん性の胆嚢壁肥厚、胆嚢周囲の肝に肝浸潤と思われる低吸収域を認めた。PET上は異常集積を認めなかった。腫瘍マーカー(CEA 124.6 ng/ml, CA19-9 58979.6 U/ml)の上昇も認めることから総合的に臍転移を伴う胆嚢癌(Stage IVb)との診断に至った。GEM 1000mg/bodyにて治療を開始し、3クール目治療中に閉塞性黄疸が出現しERBDチューブにて減黄を図った。経過中に腸管穿孔に伴う腹膜炎を併発したが、すでに腹膜播種も見られたため手術適応とならず、初診より4ヵ月後に死亡された。 悪性腫瘍の臍転移は別名「Sister Mary Joseph's nodule」と呼ばれ、予後不良のサインとされている。原発巣としては消化器系の癌が半分以上を占め、次いで婦人科系、泌尿器科系、肺とされるが、原発不明の例も少なくない。今回我々は臍・皮膚転移から発見、診断された胆嚢癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | Sister Mary Joseph's nodule, 胆嚢癌 |