セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専32:関節リウマチ治療中に単純ヘルペスウイルス1型による劇症肝炎を発症した一症例 |
演者 | 戸次 鎮宗(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科) |
共同演者 | 阿比留 正剛(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科), 佐々木 龍(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科), 橋元 悟(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科), はい 成寛(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科), 本吉 康英(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科), 小澤 栄介(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科), 長岡 進矢(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科), 小森 敦正(国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター), 右田 清志(国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター), 八橋 弘(国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター), 三原 裕美(国立病院機構長崎医療センター臨床検査科病理), 伊東 正博(国立病院機構長崎医療センター臨床検査科病理), 石橋 大海(国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター) |
抄録 | 60歳、男性。関節リウマチで死亡4年前よりプレドニゾロン、メトトレキサート、インフリキシマブを投与されていたが疾患活動性が高く、死亡4ヵ月前よりインフリキシマブを増量されていた。飲酒歴なし。死亡4日前より食思不振あり、死亡2日前に前医を受診。AST 13600IU/L、ALT 10360IU/L、LDH 14500IU/L、血小板 7万/μL、PT 52%を認め、メチルプレドニゾロンパルス療法、メシル酸ガベキサート投与されるも、死亡1日前にはPT 37%と低下したため、同日当院に転院となった。HBs抗原陰性、HBc抗体陽性、IgM-HBc抗体陰性、HBV-DNA 2.9log/ml、HCV抗体陰性、HCV-RNA陰性、抗HTLV-1抗体陰性。入院時PT 17%とさらに低下しており肝性脳症4度、呼吸不全、乏尿も認め、多臓器不全と診断した。血漿交換、輸血、人工呼吸器管理、HDFなど行うも病状進行し、来院14時間後に死亡した。肝組織のネクロプシーを施行し、病理所見では広範な凝固壊死、びまん性のリンパ球・好中球浸潤、変性肝細胞の核内に好酸性スリガラス状の封入体が見られた。ヘルペスウイルス1型(HHV1)特異抗体による免疫染色が陽性所見を示した。HHV1のIgM、IgGはいずれも陰性であったが、組織像より劇症肝炎の原因はヘルペスウイルス感染と考えられ、免疫抑制薬投与の既往より、HHV1の日和見感染により発症した劇症肝炎と診断した。HHV1による劇症肝炎では粘膜疹などの特徴的な所見を呈さないことが多く鑑別は困難であり、特に免疫不全宿主では劇症肝炎の原因としてHHV1も鑑別に挙げることが必要と考えられた。 |
索引用語 | 劇症肝炎, 単純ヘルペス |