セッション情報 |
専修医発表(卒後3-5年)
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タイトル |
専04:食道webによる嚥下障害をきたしたPlummer-Vinson症候群の一例
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演者 |
府川 恭子(済生会福岡総合病院 内科) |
共同演者 |
松島 孝充(済生会福岡総合病院 内科), 吉村 大輔(済生会福岡総合病院 内科), 淀江 賢太郎(済生会福岡総合病院 内科), 高橋 俊介(済生会福岡総合病院 内科), 山田 真梨子(済生会福岡総合病院 内科), 落合 利影(済生会福岡総合病院 内科), 壁村 哲平(済生会福岡総合病院 内科), 中村 和彦(九州大学 病態制御内科) |
抄録 |
症例は59歳、女性。元来健康。下肢静脈炎の加療目的に当院外科に紹介され、術前検査にてHb3.8g/dl(MCV 56.2fl,MCHC 24.1%,FE 6μg/dl,フェリチン 1.8ng/ml,TIBC 447μg/dl)の高度の鉄欠乏性貧血を認め、精査目的に当科紹介となった。詳細に問診すると嚥下困難感を8年前から自覚し、徐々に悪化し3~4年前より固形物は飲み込めずお粥やスープを摂っていた。これまでに2度の耳鼻咽喉科受診歴があったが特に異常はないと言われ放置していた。また、3年前より階段昇降時に息切れを自覚していた。身長160cm、体重48.0kg。栄養状態は良好で、理学所見上は爪甲の変形はみられなかった。上部消化管内視鏡検査では、食道入口部直下の頚部食道に全周性の膜様構造物による狭窄を認め、細径内視鏡も通過不能であった。透視では同部位に高度の膜様狭窄を認め、造影剤の停滞はあったが通過可能であった。腹部造影CTや婦人科的精査では特記所見はみられなかった。以上から高度鉄欠乏性貧血により頚部食道webをきたしたPlummer-Vinson症候群と診断し、鉄剤投与を開始した。貧血は著明に改善し、併せて嚥下困難も軽減している。今後食道webの経過に応じて消化管精査を予定している。本症例は嚥下困難の自覚がみられたものの、他疾患による受診を契機にPlummer-Vinson症候群が判明した。栄養事情の改善した近年では極めて稀であり、治療経過ならびに文献的考察を含め報告する。 |
索引用語 |
食道web, Plummer-Vinson症候群 |