セッション情報 |
専修医発表(卒後3-5年)
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タイトル |
専17:貧血を契機に診断された子宮体癌の再発による転移性十二指腸癌の一例
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演者 |
西嶋 健一(済生会福岡総合病院内科) |
共同演者 |
吉村 大輔(済生会福岡総合病院内科), 山田 真梨子(済生会福岡総合病院内科), 高橋 俊介(済生会福岡総合病院内科), 淀江 賢太郎(済生会福岡総合病院内科), 落合 利彰(済生会福岡総合病院内科), 壁村 哲平(済生会福岡総合病院内科), 中村 和彦(九州大学大学院病態制御内科) |
抄録 |
症例は、72歳女性。平成21年5月に子宮体癌(類内膜癌,T1cNxMx,StageIc,Grade 3)に対し、当院婦人科にて単純子宮全摘出術及び両側付属器切除術を施行され、術後化学放射線療法が追加された。平成22年5月上旬より全身の脱力感を自覚、5月20日にふらつきを主訴に当院内科を受診した。採血にてHb 6.5g/dLと著明な貧血を認め、精査加療目的に入院となった。問診上、繰り返す黒色便の既往を認めたため、緊急上部消化管内視鏡検査を施行し、上十二指腸角から下行脚ループ内側に4cm大のSMT様の立ち上がりを有し、中心部に広範不整な花弁様の潰瘍を伴う隆起性病変を認め,潰瘍部は易出血性であった。腹部造影CTでは、十二指腸近傍の傍大動脈領域に4.6cm大のリング状に濃染する腫瘤を認め、十二指腸下降脚から水平脚と密に接していた。同部位より生検を行い、病理組織はadenocarcinomaの所見であり、免疫染色でCK7陰性、CK20陽性であったことからも子宮体癌が傍大動脈リンパ節へ転移再発し十二指腸に浸潤した病変と診断した。輸血及びプロトンポンプ阻害剤の投与を行い,当院婦人科で化学放射線療法を再開した。同年8月20日の内視鏡では、病変の縮小傾向を認め,現在貧血の進行なく外来加療中である。今回の転移性十二指腸癌の診断には、内視鏡所見、CT所見に加えて生検組織の免疫染色が有用であった。若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
十二指腸癌, 子宮体癌 |