セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研23:Krukenberg腫瘍術後5年生存が得られた4型胃癌の一例 |
演者 | 渋谷 亜矢子(長崎大学病院 腫瘍外科) |
共同演者 | 日高 重和(長崎大学病院 腫瘍外科), 野中 隆(長崎大学病院 腫瘍外科), 下山 孝一郎(長崎大学病院 腫瘍外科), 福岡 秀敏(長崎大学病院 腫瘍外科), 阿保 貴章(長崎大学病院 腫瘍外科), 竹下 浩明(長崎大学病院 腫瘍外科), 七島 篤志(長崎大学病院 腫瘍外科), 澤井 照光(長崎大学病院 腫瘍外科), 安武 亨(長崎大学病院 腫瘍外科), 永安 武(長崎大学病院 腫瘍外科) |
抄録 | <症例>63歳女性。当科にて2002年6月に4型胃癌の診断にて胃全摘術+D2、脾摘、胆摘を施行した。病理結果では低分化腺癌でfT3(SE)N2H0P0CY0M0, fStageIIIA(規約第13版)の診断であった。術後補助化学療法をTS-1:100mg/dayにて開始。2クール後にUFT:400mg/dayに変更して2003年10月までの約1年間投与した。腫瘍マーカーCEA,CA19-9とも異常なく経過していた。術後1年7ヶ月目に性器出血あり、腹部CTにて右卵巣腫大を認め、転移性または原発性の卵巣腫瘍疑いで婦人科に紹介。2004年4月に単純子宮全摘、両側付属器切除術が施行された。術中所見では腹膜播種は認めていない。病理診断では両側卵巣にsignet ring cell carcinoma、低分化腺癌を認めKrukenberg腫瘍の診断であった。他の部位には明らかな再発所見を認めず、TS-1:100mg/day(4週投与2週休薬)で術後補助化学療法を開始した。有害事象(下痢)のため2週投与1週休薬へ変更したが、本人の希望もあり婦人科手術後5年目まで継続投与を行った。経過中はCT所見で明らかな再発認めず、2009年4月で補助化学療法を終了した。その後、採血検査にてALPの上昇を認め、骨シンチにて多発骨転移を認めた。全身状態の急速な悪化を認め化学療法も施行困難となり、Krukenberg腫瘍術後から5年8ヶ月経過した2010年1月に永眠された。 Krukenberg腫瘍は胃癌からの転移が多く、2年以上の生存例は希である。我々は婦人科手術後にTS-1による補助化学療法を行って5年以上の長期生存が得られた胃癌症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | Krukenberg腫瘍, TS-1 |