セッション情報 シンポジウム1「慢性膵炎をめぐる諸問題-病態・診断・治療まで-」

タイトル S1-07:

慢性膵炎手術症例の検討

演者 高畑 俊一(九州大学 臨床・腫瘍外科)
共同演者 大塚 隆生(九州大学 臨床・腫瘍外科), 中村 雅史(九州大学 臨床・腫瘍外科), 田中 雅夫(九州大学 臨床・腫瘍外科)
抄録 【はじめに】慢性膵炎の治療は主に内科的治療が行われることが多いが時に治療抵抗性で外科手術が必要となることもある。今回我々は慢性膵炎に対する手術療法につき検討した。【対象】1992年から2009年の18年間に当科において慢性膵炎の診断で手術が行われた82例を対象とした。【結果】手術の内訳は減圧手術としての膵空腸吻合が26例、嚢胞消化管吻合が17例であった。膵切除術として膵頭部切除が16例 膵尾側切除が19例、消化管通過障害に対するバイパス手術が4例に行われた。尾側膵切除の3例、嚢胞消化管吻合の4例に対して腹腔鏡下手術が行われた。膵頭部切除においては1例を除いて全胃幽門が温存され、縮小手術としての十二指腸温存膵頭切除が3例、膵頭十二指腸第2部切除が1例であった。また多くは慢性疼痛等に対する待機手術であったが出血に対する緊急手術も2例行われた。また膵胆管合流異常症や膵癒合不全などの解剖学的異常が病因となった症例では、その背景を考慮した術式の決定が必要であった。【まとめ】慢性膵炎に対する手術治療は病因、経過等様々である。良性疾患であり低侵襲治療としての腹腔鏡手術や温存手術も検討すべきと思われた。特徴的な症例を中心に、成因、術式、成績等につき考察し報告する。
索引用語 慢性膵炎, 外科手術