セッション情報 特別企画1「これからを担う消化器専門医の育成:われわれの取り組みと課題-内科系の立場から-」

タイトル SP1-06:

地域中核病院における消化器専門医育成

演者 小森 敦正(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科、臨床研究センター)
共同演者 阿比留 正剛(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科、臨床研究センター), 西山 仁(国立病院機構長崎医療センター消化管内科), 長岡 進矢(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科、臨床研究センター), 岡本 健太(国立病院機構長崎医療センター消化管内科), 八橋 弘(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科、臨床研究センター), 石橋 大海(国立病院機構長崎医療センター肝臓内科、臨床研究センター)
抄録 長崎医療センター消化器科では、肝臓内科および消化管内科グループに所属する複数の専門医・指導医と豊富な症例を基に、幅広い知識と技能の習得が可能である。このことから長崎県内のみならず、福岡、熊本、沖縄など九州全域で活躍する肝臓・消化器専門医の育成に関わってきた。
この伝統をさらに発展させるべく、人材のリクルートへつながる広報活動の充実、ならびに消化器科後期研修カリキュラムの適時改善を目的として、消化器科後期研修委員会を昨年度より立ち上げており、外部ホームページにおける消化器内科後期研修プログラムの刷新、経時的な症例経験数増加と技術の向上につながるフィードバックが可能となる、後期研修自己評価シートの導入を行った。
これと同時に各診療グループの特徴を専門修練の場でいかすことも重要であり、実際に消化管グループでは、常に上級医のサポートが可能な体制のもと、カリキュラム内に内視鏡モデルを利用した技術指導、ならびに治療内視鏡、特にESDのモデルトレーニングを導入することにより、消化器内視鏡の基礎から最新分野まで指導を行っている。また肝臓内科グループでは、肝生検から始まりRFAへといたるエコー下処置、ERCP処置、EVL処置それぞれの年間目標症例数を設定したカリキュラムにより指導を行っている。
さらに未来の医療を見据えた消化器専門医の生涯学習という点からは、長崎大学連携大学院連携大学院講座でもある院内併設の臨床研究センターにおいて、後期研修と併行し臨床、および基礎研究を行うことで、大学院生として博士号の取得も可能となっている。
消化器病臨床と研究のリーダーとして、次代を担いうる消化器専門医の育成を目指した、地域中核病院としての当センターの試みと問題点を提示し、議論の提供としたい。
索引用語 消化器病専門医, 肝臓内科専門医