セッション情報 一般演題

タイトル 177:

混合性結合組織病・シェーグレン症候群に蛋白漏出性胃腸症を合併した一例

演者 柿ヶ尾 佳奈(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター)
共同演者 福嶋 伸良(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 宮村 知也(国立病院機構九州医療センター 臨床研究センターDELIMITER国立病院機構九州医療センター 膠原病内科), 水谷 孝弘(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 原口 和大(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 岡本 梨沙(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 澤村 紀子(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 大橋 朋子(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 光安 彩(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 藤山 隆(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 吉本 剛志(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 國府島 庸之(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 河邉 顕(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 福泉 公仁隆(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 中牟田 誠(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 原田 直彦(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター)
抄録 混合性結合組織病(MCTD)・シェーグレン症候群に蛋白漏出性胃腸症を合併した一例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
【症例】50歳代、女性【主訴】下腿浮腫、腹部膨満【既往歴】40歳代:シェーグレン症候群、50歳代バセドウ病(アイソトープ治療施行後に甲状腺機能低下)【家族歴】弟:膠原病(詳細不明),父:関節リウマチ,心臓弁膜症【現病歴】2009年10月初旬より腹部膨満感を自覚。12月頃より両足の急激な腫脹を認め近医受診。大量の腹水を認め精査行うも有意な所見認めず、精査目的に2010年2月当科紹介入院。入院時、下腿浮腫・腹水貯留を認めた。血液検査では、著明な低アルブミン血症(Alb 1.3 g/dl)が見られたが、肝腎機能正常、尿蛋白陰性であった。上部消化管内視鏡検査では特記所見認めず。下部消化管内視鏡検査では軽度の粘膜発赤を認めるのみで、生検では非特異的炎症像であった。ダブルバルーン小腸内視鏡では、回腸粘膜の浮腫像を認めたが、生検では非特異的炎症像のみであった。99mTc標識ヒト血清アルブミンによる消化管シンチグラフィでは胃及び小腸に異常集積を認めた。α1アンチトリプシンクリアランス233 ml/dayと高値であり、蛋白漏出性胃腸症の診断に至った。また、レイノー症状・軽度の手指腫脹、皮膚硬化、U1RNP抗体陽性より、混合性結合組織病(MCTD)の診断を得た。以上の経過より、MCTD+シェーグレン症候群に合併した続発性蛋白漏出性胃腸症と考えられた。MCTDの治療に準じ、3月よりプレドニン45mg/dayの内服を開始し、15mg/dayで維持量とした。開始2ヵ月後にはAlb 2.9 g/dlと改善を認め、下腿浮腫や腹部膨満感も軽減した。【考察】膠原病疾患による続発性蛋白漏出性胃腸症と考えられ、本例はステロイドが奏効した。若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 蛋白漏出, 混合性結合組織病