セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
163:膵尾部切除後の残膵に発生した膵頭部癌に対して残膵全摘を行った3例
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演者 |
木村 有(熊本赤十字病院 外科) |
共同演者 |
松田 史雄(熊本赤十字病院 外科), 清水 健次(熊本赤十字病院 外科), 横溝 博(熊本赤十字病院 外科), 山根 隆明(熊本赤十字病院 外科) |
抄録 |
Case 1; 62歳女性。2006年検診にて膵に主膵管拡張と嚢胞性病変を指摘された。IPMNに対して膵体尾部切除術施行した。術後病理にて minimal invasionを認めた。術後20ヶ月にCTで残膵に不整型の低吸収域を認めた。残膵癌の診断で膵全摘術施行した。 IPMN由来の浸潤癌であった。初回手術ではIPMAが断端に陽性であった。 Case 2; 膵体部癌にて2006年に膵体尾部切除を施行した67歳男性。 24ヶ月後、閉塞性黄疸出現。精査にて遠隔転移のない膵頭部癌と診断した。残膵全摘を施行した。病理では2カ所の浸潤癌を認めた。2つの可能性が考えられた(1. Recurrence of the pancreas body cancer, 2. Multicentric tumorigenesis)。 Case 3; 2007年糖尿病の悪化で膵管拡張を伴う膵体部癌に対して膵体尾部切除術施行。断端陽性であったが術後のInformed consentで手術ではなく放射線治療と化学療法を選択された。50Gyの照射とジェムザールの投与を行った。35ヶ月後残膵に13mm大の病巣を指摘、再発癌の診断で膵全摘術施行した。放射線の影響で剥離は困難を極めた。門脈合併切除で切除した。PV+であった。いずれも比較的稀な症例と考えられた。異時性癌、遺残癌の膵臓内再発と考えられたが、外科的に切除し得た。 手術の際、SMVへのアプローチが初回手術の影響で困難であった。炎症の少ない足側右側よりのアプローチが比較的容易であった。文献検索を加えて報告する。 |
索引用語 |
残膵全摘術, 異時性 |