セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研70:肉腫様変化を伴った胆嚢癌の1切除例 |
演者 | 江川 紀幸(佐賀大学医学部 一般・消化器外科) |
共同演者 | 井手 貴雄 (佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 志田 雅明(佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 久保 洋(佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 甲斐 敬太(佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 三好 篤(佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 北原 賢二(佐賀大学医学部 一般・消化器外科), 能城 浩和(佐賀大学医学部 一般・消化器外科) |
抄録 | 症例は77歳の男性で、近医にて腎盂腎炎の治療中に胆嚢内の腫瘤性病変を指摘され、精査加療目的に当院紹介入院となった。血液生化学検査では軽度の貧血を認めるのみで、腫瘍マーカーの上昇は認めなかった。諸検査の結果、胆嚢底部に不整形の腫瘤性病変を認め、腫瘤は一部胃壁と接しており、肝臓との境界は不明瞭であった。胆嚢癌の診断で、肝S4a+5、胆嚢切除、胃部分切除、D2リンパ節郭清術を施行した。切除標本では胆嚢粘膜に明らかな腫瘍性病変は認めず、胆嚢底部の粘膜下腫瘍様の隆起が肝実質へ浸潤していた。病理組織学的には腫瘍細胞は肉腫様形態を呈しながら浸潤性に増生し、紡錘形細胞と巨細胞から構成されていた。免疫組織学的に腫瘍細胞はCK7陽性、Vimentin陽性で肉腫様癌の所見であった。背景の胆嚢には、adenomyomatosisがみられ、RASが発生母地となった可能性が示唆された。術後は、腹腔内膿瘍を併発したが、保存的に軽快し、退院となった。肉腫様変化を伴った胆嚢癌は非常に稀であり、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 胆嚢癌, 肉腫様癌 |