セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 81:動脈塞栓術にて止血し得た上行結腸憩室出血の2例 |
演者 | 小林 起秋(熊本赤十字病院消化器科) |
共同演者 | 竹熊 与志(熊本赤十字病院消化器科), 松山 桃子(熊本赤十字病院消化器科), 山邊 聡(熊本赤十字病院消化器科), 泉 良寛(熊本赤十字病院消化器科), 溝部 典生(熊本赤十字病院消化器科), 石田 準一(熊本赤十字病院消化器科), 浦田 孝広(熊本赤十字病院消化器科), 吉永 秀哉(熊本赤十字病院消化器科), 北田 英貴(熊本赤十字病院消化器科), 一二三 倫郎(熊本赤十字病院消化器科) |
抄録 | 1例目は50歳代、男性。平成22年8月、血便を頻回に認めたため当院救急外来受診。造影CT検査にて上行結腸憩室周囲に動脈相で血管外漏出像を認めたため緊急下部消化管内視鏡検査施行。CTの部位に一致して拍動性湧出性出血を認めたため、憩室開口部をクリップ法で縫縮し止血。第2病日に再度頻回の血便を認めたためクリップをメルクマールに血管造影検査施行。出血憩室近傍に仮性動脈瘤形成を認めており同部位に対して超選択的動脈塞栓術を施行。以降再出血認めず、第7病日退院。2例目は60歳代、男性。平成22年8月、頻回の血便を主訴に当院救急外来受診。1例目と同様上行結腸憩室周囲に造影CTにて血管外漏出像を認め、緊急下部消化管内視鏡検査を施行したが、拍動性湧出性出血に対して憩室開口部のクリップ法による縫縮にて一旦は止血するも観察中に拍動性の再出血を来たし、内視鏡的止血困難と判断し血管造影検査施行。1例目と同様、出血憩室近傍に仮性動脈瘤を認め、同部位に対して超選択的動脈塞栓術施行。以降再出血なく、第7病日退院となった。近年食事の欧米化や高齢化が進んだ事で本邦での大腸憩室症の頻度は増加しており、日常診療において結腸憩室出血に遭遇する機会も少なくない。多くは自然止血するが、一部大量出血や再出血を来し、治療に難渋する症例もしばしば認める。今回我々は類似した経過の出血症例を2例経験した。大腸憩室出血に対する当科での治療戦略について、自験例での症例分析も含めて若干の文献的考察を加味して報告する。 |
索引用語 | 憩室出血, 動脈塞栓術 |