セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 47:当科における小腸GIST6例の手術成績 |
演者 | 藤井 及三(大分県立病院外科) |
共同演者 | 植田 直之(大分県立病院外科), 米村 祐輔(大分県立病院外科), 小西 晃造(大分県立病院外科), 増野 浩二郎(大分県立病院外科), 足立 英輔(大分県立病院外科), 田代 英哉(大分県立病院外科), 坂田 久信(大分県立病院外科) |
抄録 | 【はじめに】GISTは多くの場合無症状で、検診や他疾患の経過観察中に偶然発見されることが多い。とくに小腸では小さいものでは症状が出にくく、進行して腫瘍径が比較的大きくなって発見されることが多い。当科では2006年1月から2010年6月までの間に初発小腸GIST6例を経験したので、その治療成績を検討した。【方法】2006年1月から2010年6月までに当科で手術治療を行った小腸GIST6例を対象として、手術成績、再発の有無などを検討した。【結果】6例の平均年齢は57歳、男女比は3:3で主訴は腹部腫瘤2例、腹痛1例、無症状3例であった。術前診断はCT, MRIで得られ、小腸内視鏡を行われた症例はなかった。遠隔転移はいずれの症例でも認められず、3例に腹腔鏡下小腸部分切除、1例に腹腔鏡下腫瘍切除、2例に開腹下小腸部分切除術が行われた。腫瘍の存在部位は空腸・回腸ともに3例ずつであった。平均手術時間は115分、出血量は腫瘍径が11.4cmの開腹症例で350gであったが、他の5例では10g以下であった。切除腫瘍の平均径は8.4x6.0cmであった。術後合併症は創感染を1例認めるのみで、平均術後在院日数は9日であった。病理学的にはいずれの症例もc-kit, CD34ともに陽性で、核分裂像数は全例<5 /50HPFであった。Fletcherのリスク分類ではintermediate 4例、high 2例であった。imatinibによる術後補助化学療法はintermediate, high riskの1例ずつに施行されている。術後平均観察期間は20.2か月(3~60か月)で、6例とも再発を認めていない。5例は健在であるが、intermediate riskの1例は合併していた肝細胞癌の肺・骨転移により、術後26か月目に死亡した。【まとめ】小腸GISTは外科的切除が原則であり、当科では症例を選んで腹腔鏡下切除術を行い、被膜損傷もなく安全に施行可能であった。小腸GISTは発見時すでに腫瘍径が大きくintermediate risk以上であることが多いため、再発予防にはimatinib投与を症例に応じて考慮する必要があると考えられた。 |
索引用語 | 小腸GIST, 腹腔鏡 |