セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研93:巨大肝嚢胞性腫瘍として術前診断に苦慮したGIST肝転移の1例 |
演者 | 田中 康子(長崎医療センター 肝臓内科) |
共同演者 | 権 志成(長崎医療センター 外科), 戸次 鎮宗(長崎医療センター 肝臓内科), 佐々木 龍(長崎医療センター 肝臓内科), 夏田 孔史(長崎医療センター 外科), 橋元 悟(長崎医療センター 肝臓内科), 三原 裕美(長崎医療センター 臨床検査科), はい 成寛(長崎医療センター 肝臓内科), 小澤 栄介(長崎医療センター 肝臓内科), 本吉 康英(長崎医療センター 肝臓内科), 中島 一彰(長崎医療センター 放射線科), 長岡 進矢(長崎医療センター 肝臓内科), 石丸 英樹(長崎医療センター 放射線科), 阿比留 正剛(長崎医療センター 肝臓内科), 蒲原 行雄(長崎医療センター 外科), 小森 敦正(長崎医療センター 肝臓内科), 八橋 弘(長崎医療センター 肝臓内科), 藤岡 ひかる(長崎医療センター 外科), 伊東 正博(長崎医療センター 臨床検査科), 石橋 大海(長崎医療センター 肝臓内科) |
抄録 | 症例は67歳女性。12年前に他院で小腸腫瘍の手術歴あるも、病理診断は不明であった。200X年5月上旬より下腿浮腫が出現し徐々に拡大・増悪傾向を示した。その後食思不振、体重減少も認めた。7月下旬には心窩部膨満感も出現したため近医を受診。腹部エコーにて巨大肝嚢胞を指摘され、精査加療目的に当院肝臓内科紹介受診となった。造影CT検査では、血管増生も明らかで厚く不整な嚢胞壁を有する、径18cmの嚢胞性腫瘤を肝左葉に認めた。肝胆道系酵素の上昇はなく、腫瘍マーカーもCEAの軽度上昇を認めるのみであった(AFP:2ng/ml,CEA:5.1ng/ml,CA19-9:12.9U/ml)。嚢胞による圧迫症状が出現しており、穿刺細胞診による肝嚢胞腺癌等悪性腫瘍の除外診断も困難であったため、8月20日肝左葉切除術を施行した。切除標本では、嚢胞壁の肥厚および内部に乳頭状増生部を認め、表面には血管増生も明らかであった。嚢胞内容は血性、細胞診は陰性であるも、病理組織所見では、好酸性で豊富な胞体を有するpolygonal~紡錘形な細胞のシート状増殖と、血管の介在を認めた。免疫染色にてC-kit陽性でありGISTの肝転移と診断された。本症例の小腸腫瘍の既往はGISTの原発巣であったと考えられた。嚢胞性変化をきたしたGISTの腹腔内転移症例の文献的考察も含め報告する。 |
索引用語 | 巨大肝嚢胞, GIST |