セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研10:

失神を伴う下血を契機に発見、内視鏡的に治療し得たTubular adenocarcinomaの一例

演者 松林 万葉(沖縄県立中部病院)
共同演者 山田 航希(沖縄県立中部病院), 吉田 幸生(沖縄県立中部病院), 知念 健司(沖縄県立中部病院), 久保田 富秋(沖縄県立中部病院), 新城 雅行(沖縄県立中部病院), 島袋 容司樹(沖縄県立中部病院), 篠浦 丞(沖縄県立中部病院), 菊池 馨(沖縄県立中部病院)
抄録 [症例]27歳女性[主訴]下血 [既往歴]ファロー四徴症術後、右全盲(水晶体欠損)[現病歴]来院前日、排便時に腹痛を伴わない下血を認め、その後間欠的に下血が続いた。翌日ふらつき、めまい出現し、意識消失を認めたため救急車要請、当院救急センター搬送となった。[来院時現症]血圧116/80mmHg、脈拍100/分、呼吸数18/分、体温37.1℃。身体所見:眼瞼結膜貧血あり。胸骨左縁に収縮期駆出性雑音を聴取した。腹部は平坦、軟。腸蠕動音亢進を認めた。左下腹部に軽度圧痛を認めたが、反跳痛、筋性防御は認めず。肛門鏡にて赤紫色の血液の流出を認めた。明らかな痔核は認めず。[経過]来院時Hb10.1mg/dl、Ht31.7%と貧血を認め、腹部骨盤単純造影CTで下行結腸に造影剤の血管外漏出を認めたため4単位輸血を行いながら緊急大腸内視鏡検査施行した。回腸末端から直腸まで暗赤色~赤色の血塊があり、S状結腸下行結腸移行部の口側に径18mm程度の表面絨毛構造を呈するIpポリープ認めた。中央から拍動性の出血を呈していたため、ポリペクトミー施行し切除面にクリップをかけて終了した。翌日より経口摂取開始し、貧血の進行、下血を認めなかったため入院5日目に退院となった。病理組織診断はCarcinoma in ademona tub1(+tub2), pM, ly0, v0, pStage 0, Margin(-)であり治癒切除であった。[考察]今回我々は下血を契機に早期発見、内視鏡的に治療し得たtubular adenocarcinomaの症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 adenocarcinoma, 下血