| セッション情報 | ワークショップ3「消化器疾患に対する低侵襲手術(ビデオ)」 |
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| タイトル | WS3-06:手術支援ロボットda Vinci S HD surgical systemの導入~導入初期に感じた有用性と将来性~ |
| 演者 | 池田 貯(佐賀大学一般・消化器外科) |
| 共同演者 | 三好 篤(佐賀大学一般・消化器外科), 小林 毅一郎(佐賀大学一般・消化器外科), 政次 俊宏(佐賀大学一般・消化器外科), 井手 貴雄(佐賀大学一般・消化器外科), 古賀 靖大(佐賀大学一般・消化器外科), 隅 健次(佐賀大学一般・消化器外科), 小池 健太(佐賀大学一般・消化器外科), 北原 賢二(佐賀大学一般・消化器外科), 能城 浩和(佐賀大学一般・消化器外科) |
| 抄録 | da Vinci S HD surgical system (以下ダビンチ)を用いたロボット手術は欧米では泌尿器科領域と婦人科領域で普及しているが、消化器外科領域では未だ発展途上の分野である。2009年11月18日にダビンチがわが国の薬事法で承認されたのをうけ、本学では国立大学では初めてダビンチを導入した。2010年4月に胃癌手術に対するロボット手術の第一例目を施行して以降、同8月までに6例の胃癌手術をダビンチにて施行した。手術例の内訳は、幽門側胃切除術5例、胃全摘1例で、術中に大きな問題なく全例手術を完遂している。現在、当科でダビンチを用いたロボット手術の有効性と安全性の臨床試験中であるが、導入初期に我々が感じたダビンチの有用性と将来性についてビデオを供覧し述べてみたい。ダビンチの特徴は、1. 7度の自由を持つ多関節機能を有する鉗子、2. 複眼レンズによるHDかつ3D画像、3. モーションスケーリング機能による微細な操作の安定性、4. フィルターリング機能による生理的震えの除去があげられる。これらの特徴が十分に発揮され、腹腔鏡手術を超える利点を享受できるのは、幽門下リンパ節郭清と膵上縁リンパ節郭清手技と考えている。これらの手技は、通常腹腔鏡手術では高い技術が要求される部分であるが、ダビンチを用いることで、通常腹腔鏡手術を超えたより緻密な作業が直観的に行うことが可能である。さらに通常腹腔鏡手術よりもラーニングカーブも急峻であると考えられる。しかし、現時点では薬事承認済みのダビンチ用の鉗子類およびパワーデバイスは限定されており、普遍的な手術法となるにはさらなる器械の進歩が必要と考えている。 |
| 索引用語 | ロボット手術, 胃癌 |