セッション情報 | 特別企画1「これからを担う消化器専門医の育成:われわれの取り組みと課題-内科系の立場から-」 |
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タイトル | SP1-09:当院における後期研修膵胆道系内視鏡検査トレーニング法の検討 |
演者 | 水上 一弘(大分大学消化器内科) |
共同演者 | 村上 和成(大分大学消化器内科), 梶本 展明(大分大学消化器内科), 平下 有香(大分大学消化器内科), 安部 高志(大分大学消化器内科), 本村 充輝(大分大学消化器内科), 内田 政広(大分大学消化器内科), 井上 邦光(大分大学消化器内科), 沖本 忠義(大分大学消化器内科), 兒玉 雅明(大分大学消化器内科), 藤岡 利生(大分大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】膵胆道系内視鏡手技は難易度が高く、新研修制度における指導方法が系統的に考慮されるべきである。今回、当施設において後期研修における膵胆道内視鏡検査トレーニング法を作成し、またそれの客観的評価を行った。 【方法】当院における後期研修での内視鏡手技習得プログラムとして(1)膵胆道系解剖・生理の確認、(2)膵胆道系内視鏡手技の適応、合併症、禁忌の熟知、(3)指導医の下で上部消化管内視鏡手技100例以上の経験、(4)モデルによる側視鏡、十二指腸乳頭カニュレーショントレーニング、(5)指導医手技の見学、介助30例経験を施行担当の条件とした。手技に関して十二指腸乳頭到達まで7分、カニュレーションまで7分を術者交替の制限とした。研修医が介在した手技の所要時間、手技前後の白血球数、血清アミラーゼ値(AMY)、CRP値を指導医と比較しトレーニング法が適正であるかを検討した。 【結果】平成21年に当院にて施行した148例の膵胆道系内視鏡手技において、上記条件に達した後期研修医が担当した32例をA群、指導医による症例をB群とした。平均所要時間はA群 38.2分、B群 33.4分、手技前後の平均AMYはA群 172IU/mlから303.2IU/ml、B群 126.3IU/mlから224.0IU/ml、平均白血球数はA群 7262/mm3から8130/mm3、B群にて5820/mm3から6530/mm3、平均CRP値はA群にて4.20mg/dlから5.98mg/dl、B群にて2.04mg/dlから2.89mg/dlであった。所要時間はA群とB群間に有意差はなく、手技前後におけるAMY,CRP,白血球数においてA,B群ともに有意な変化を認めなかった。全症例において重篤な合併症は認めなかった。AMY著増は指導医の症例が3/116例(2.6%)に対して研修医3/32例(9.4%)と高率であったが有意差を認めなかった(P=0.1154)。 【結語】当院の後期研修期間における膵胆道系内視鏡手技トレーニング法は、各合併症に有意差を認めず、適正な運用が考慮された。今後もprospectiveな症例対象研究として、本モデルを更に蓄積していき、後期研修のトレーニングにフィードバックしていきたい。 |
索引用語 | ERCP, トレーニング |