セッション情報 ワークショップ3「消化器疾患に対する低侵襲手術(ビデオ)」

タイトル WS3-03:

腹腔鏡用手補助下脾臓摘出術の有用性

演者 近本  亮(熊本大学消化器外科学)
共同演者 別府 透(熊本大学消化器外科学), 石河 隆敏(熊本大学消化器外科学), 小澄 敬佑(熊本大学消化器外科学), 徳永 竜馬(熊本大学消化器外科学), 宮田 辰徳(熊本大学消化器外科学), 阿部 真也(熊本大学消化器外科学), 中原 修(熊本大学消化器外科学), 田中 洋(熊本大学消化器外科学), 増田 稔郎(熊本大学消化器外科学), 堀野 敬(熊本大学消化器外科学), 高森 啓史(熊本大学消化器外科学), 馬場 秀夫(熊本大学消化器外科学)
抄録 【はじめに】当科では肝硬変に伴う脾機能亢進症例や慢性C型肝炎に対するINF治療導入のため血小板増加を目的として腹腔鏡用手補助下脾臓摘出術(HALS-Sx)を行っている。その手術手技を供覧し、治療成績を述べる。【手術の要点】1.約60°の右半側臥位で開始する。2.臍左側にカメラポート、左肋骨弓下に2本のポート(12mm)、上腹部正中に8cmのハンドアシスト用の切開を加える。3.脾周囲はVIOボール型電極でpre-coagurationを行いながら、鏡視下用En-sealを用い剥離を行う。4.脾外側剥離時は右側へ、脾門部処理時は左側へベッドをローテンションする。5.脾門部はエシュロン・エンドカッターで一括切離を行う。6.エンドキャッチに収納後、上腹部正中創から摘出する。7.気腹をとき3分間観察し、腹腔内の止血を十分に確認した後、手技を終了する。【症例】2008年3月から2010年7月までに17例にHALS-Sxを行った。2例が部分的脾塞栓術(PSE)無効例だった。【結果】16例(94.1%)はC型肝炎に対するIFN導入目的で、術前血小板中央値は6.4万だった。手術時間中央値152分、出血量中央値254gであった。血小板投与を4例に行ったが、赤血球液や凍結血漿投与例はなかった。術後出血を3例に認め、内1例はPSE後症例であった。その他には腹水の遷延を1例に認めた。【まとめ】HALS-Sxはハンドアシストを活用し、器具を適切に使用することにより、安全にかつ低浸襲下に行うことができる。PSE後はHALS-Sxの難易度が高く注意を要する。
索引用語 脾摘, 鏡視下手術