セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 83:当院で経験した腸管嚢腫様気腫症の7例 |
演者 | 山田 隆史(原三信病院 消化器科) |
共同演者 | 深浦 啓太(原三信病院 消化器科), 仁保 宏二郎(原三信病院 消化器科), 瀧澤 延喜(原三信病院 消化器科), 茶圓 智人(原三信病院 消化器科), 中村 典資(原三信病院 消化器科), 兼城 三由紀(原三信病院 消化器科), 松坂 浩史(原三信病院 消化器科), 永瀬 章二(原三信病院 消化器科), 千々岩 芳春(原三信病院 消化器科) |
抄録 | 腸管嚢腫様気腫症(Pneumatosis cystoides intestinalis, PCI)は,腸管壁の粘膜下あるいは漿膜下に多房性あるいは直線状の含気性嚢胞を形成する原因不明の疾患であり,比較的稀な疾患であるが,本邦では,約1000例ほど報告されている.今回,当院で経験した腸管嚢腫様気腫症の7例について,若干の文献的考察を加え,報告する. 症例は7例で,男性4例,女性3例,年齢は,36歳~92歳(平均61.9歳)であった.症状は,腹部違和感2例,腹部膨満感1例,腹痛1例,血便1例,水様下痢便1例,便秘1例、無症状1例で,比較的軽微な症状であった.病変部位は,小腸~下行結腸1例,上行結腸4例,上行結腸~下行結腸1例,直腸1例であった.診断は,下部消化管内視鏡検査で発見されたものが4例,腹部骨盤CT検査にて発見されたものが3例であった.治療法は,経過観察及び対症療法のみが3例,原因と考えられた薬剤の中止のみが3例,絶食と補液による保存的療法も行ったのは1例で,いずれも改善し,手術症例はなかった.原因・誘因は,原因不明(特発性)2例,α-グルコシダーゼ阻害剤2例,慢性関節リウマチ3例,コハク酸ソリフェナシン1例であった.α-グルコシダーゼ阻害剤が原因と考えられた症例は,いずれも慢性関節リウマチを合併しており,プレドニゾロンを内服中であった.コハク酸ソリフェナシンが原因と考えられた症例は,医中誌にて検索しえた限りでは自験例のみであった. |
索引用語 | 腸管嚢腫様気腫症, コハク酸ソリフェナシン |