セッション情報 専修医発表(卒後3-5年)

タイトル 専36:

大腸癌肝転移との鑑別が困難であった肝硬化性血管腫の一例

演者 宮田 辰徳(熊本大学大学院 消化器外科学)
共同演者 増田 稔郎(熊本大学大学院 消化器外科学), 別府 透(熊本大学大学院 消化器外科学), 石河 隆敏(熊本大学大学院 消化器外科学), 近本 亮(熊本大学大学院 消化器外科学), 小澄 敬祐(熊本大学大学院 消化器外科学), 徳永 竜馬(熊本大学大学院 消化器外科学), 阿部 真也(熊本大学大学院 消化器外科学), 中原 修(熊本大学大学院 消化器外科学), 田中 洋(熊本大学大学院 消化器外科学), 堀野 敬(熊本大学大学院 消化器外科学), 高森 啓史(熊本大学大学院 消化器外科学), 馬場  秀夫(熊本大学大学院 消化器外科学)
抄録 大腸癌肝転移との鑑別が困難であった肝硬化性血管腫の一例熊本大学大学院 消化器外科学宮田辰徳、増田稔郎、別府 透、石河隆敏、近本 亮、小澄敬祐、徳永竜馬、阿部真也、中原 修、田中 洋、堀野 敬、高森啓史、馬場秀夫【はじめに】肝硬化性血管腫の頻度はまれで、腫瘍全体が線維化、硝子化変性し、血管腔が著しく減少、または消失するために画像による転移性肝癌や肝内胆管癌との鑑別診断は困難であるとされる。今回、横行結腸癌の診断時に発見され、肝転移との鑑別が困難であった一例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。【症例】症例は71歳、男性。2010年5月 睡眠時無呼吸を主訴に近医を受診。貧血を認め、大腸内視鏡にて横行結腸に進行大腸癌を認めたため、手術を目的に当科へ紹介された。CTにて肝S6肝表に辺縁から造影される10mmの結節を認め、肝転移を疑われた。同結節はMRI T1強調で等信号、T2強調で高信号を呈した。diffusionではADC値2.2と高信号を呈し、血管腫の可能性が考えられた。Dynamic studyでは、CTと同様に動脈相で辺縁から造影され、肝細胞相で取り込み不良域となった。経皮的エコーでは描出困難で、ソナゾイド投与にて早期からクッパー相まで低エコーとして描出された。横行結腸癌、転移性肝癌の診断で7月22日 腹腔鏡下横行結腸切除術・肝S6部分切除術を施行した。腹腔鏡下に肝病変は肝表の白色結節として認められ、腹腔鏡下に肝S6部分切除を行った。切除標本の割面は白色充実性、弾性軟で、病理診断の結果は硬化性血管腫であった。【まとめ】転移性肝癌との鑑別が困難であった硬化性血管腫の一例を経験した。現病歴、造影CT、ソナゾイドエコーからは転移性肝癌を疑われたが、MRI diffusionのADC値からは血管腫を疑われ、肝硬化性血管腫の診断に有用と考えられた。
索引用語 肝硬化性血管腫, ADC値