セッション情報 一般演題

タイトル 51:

絞扼性イレウスにて緊急開腹術を行い診断しえた盲腸周囲ヘルニアの1例

演者 上原 英雄(国立病院機構九州医療センター 消化器センター外科 臨床研究部)
共同演者 橋本 理沙(国立病院機構九州医療センター 消化器センター外科 臨床研究部), 櫻井 真人(国立病院機構九州医療センター 消化器センター外科 臨床研究部), 立石 昌樹(国立病院機構九州医療センター 消化器センター外科 臨床研究部), 楠元 英次(国立病院機構九州医療センター 消化器センター外科 臨床研究部), 山口 将平(国立病院機構九州医療センター 消化器センター外科 臨床研究部), 遠藤 和也(国立病院機構九州医療センター 消化器センター外科 臨床研究部), 池尻 公二(国立病院機構九州医療センター 消化器センター外科 臨床研究部)
抄録 症例は、78歳の男性。進行性核上麻痺にて近医入院中であった。2010年8月誤嚥性肺炎を認め、急性呼吸不全にて当院救急搬送となった。入院時レントゲンにて小腸ガスを認め、腹部造影CTにて回盲部周囲腸管壁の造影効果の低下を認めた。また、血性腹水も認めたことから絞扼性イレウスと診断し緊急開腹術を施行した。開腹所見としては、回盲部外側に陥凹部を認め、この中に小腸が進入し嵌頓しており盲腸周囲ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断した。ヘルニア門を開放し絞扼した小腸を引き出したところ、回腸末端から45cmの部位から口側に75cmに渡って黒色に変色した小腸を認めた。壊死した小腸を切除した後、右下腹部に双口式人工肛門を増設し手術を終了した。盲腸周囲には、成人の約30%に後腹膜窩が存在すると報告されており、盲腸周囲ヘルニアは同窩に腹腔内臓器が嵌入する非常に稀な内ヘルニアの一つである。今回、我々は絞扼性イレウスにて緊急開腹術を行い診断しえた外側型盲腸周囲ヘルニアの1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 盲腸周囲ヘルニア, イレウス