| セッション情報 |
ワークショップ3「消化器疾患に対する低侵襲手術(ビデオ)」
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| タイトル |
MW-07:消化器疾患に対する新たな低侵襲手術~単孔式腹腔鏡下手術(TANKO)の応用~
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| 演者 |
外山 栄一郎(国立病院機構都城病院外科) |
| 共同演者 |
坂本 慶太(国立病院機構都城病院外科), 村野 武志(国立病院機構都城病院外科), 後藤 又朗(国立病院機構都城病院外科) |
| 抄録 |
2009年以降、本邦において単孔式腹腔鏡下手術(TANKO)は急速な広がりをみせており、当院でも昨年8月に導入し約1年間で84例(胆嚢39例、虫垂13例、大腸15例、胃6例、バイパス3例、ヘルニア6例、脾1例、イレウス1例)にTANKOを施行した。当初は従来の腹腔鏡手術と同様に胆嚢摘出・虫垂切除から開始し、徐々に消化管疾患に対して適応を拡大し良好な経過を得ているのでその手技を供覧する。大腸疾患に対しては15例に施行しているが、右側結腸の6例では全て臍の創一か所のみで手術を完遂可能であった。3例にSILSポートを使用し、3例はパラレル法にて行った。いずれの方法でも遜色はないが、カメラポートを移動させる際にはSILSポートが有用であった。右側結腸癌症例では岡島らの推奨する従来通りの内側アプローチ変法が可能であり、吻合は腹腔外での機能的端々吻合とし、必要に応じて8Frの細径ドレーンを経皮的に挿入する。左側症例では右下腹部のドレーン挿入予定部に術者右手用の5mmポートを追加することで従来法に準じたcoaxial imageで手術可能であった。右下腹部ポートは臍部から距離があるため超音波凝固切開装置を使用する際には排煙が容易であり、視野・操作性・手術時間は従来法と遜色なかった。肛門側腸管の離断は臍部もしくは右下腹部の12mmポートを用いて行うか、反転法にて行なう。吻合は従来通りのDSTが全例可能であった。胃疾患は6例に施行し、胃癌に対しては5mmポートを左右に1本ずつアシストポートとして留置して行なった。吻合はオーバーラップ法を基本とし全例にRoux-Y法で再建した。胃癌・大腸癌では標本を摘出する皮切が約4cmと長いため鉗子の自由度は高く、ドレーン挿入予定部にアシストポートをおくことで従来法に準じたcoaxial imageで手術可能であった。TANKOの安全な実施と普及にはデバイスの開発が必須であり、今後器具が成熟するまではアシストポートを効率的に活用することが合理的であると考えられた。 |
| 索引用語 |
ダミー, ダミー |