セッション情報 一般演題

タイトル 115:

肝細胞癌に対するソラフェニブの治療効果と副作用:多施設での検討

演者 中野  聖士(久留米大学医学部 内科学講座 消化器内科部門)
共同演者 佐田  通夫(久留米大学医学部 内科学講座 消化器内科部門)
抄録 【目的】近年ソラフェニブが無治療症例と比較して切除不能肝細胞癌の予後を改善することが証明され、本邦でも治療適応が承認された。しかし高頻度に発生する副作用対策や投与症例の選択基準など、解決されていない問題は依然多い。【方法】2009年5月に保険承認された後に久留米大学関連施設でソラフェニブの投与を行った71例を対象とし、背景・副作用・効果について検討した。【成績】平均年齢は70.2歳、男性57例、女性15例で、HBs-Ag陽性14例、HCV-Ab陽性42例、その他15例であった。投与開始時の進行度分類はstage 2:3例、3:13例、4A:9例、4B:46例で、主な肝外転移は肺30例、骨10例、リンパ節9例であった。投与前の主な治療法はTACE 36例、HAIC 26例、肝切除術20例、RFA 18例であった。初回投与量は800mg 40例、600mg 7例、400mg 23例で、平均投与期間は113日、平均観察期間は162日、死亡は22例であった。現在31例に投与中で40例に投与を終了し、そのうち18例が副作用で投与中止となり、中止までの平均投与期間は89日であった。投与中に出現した主な副作用は手足皮膚反応31例、下痢18例、脱毛11例、高血圧症7例、肝機能障害7例であった。重篤な副作用として間質性肺炎が1例、腫瘍崩壊症候群が1例みられ、手足皮膚反応で5例、下痢で4例、肝機能障害で3例、皮疹で2例、腎機能障害で1例、高血圧で1例投与を中止した。30日以上投与出来たのは48例で、これらの症例に対して効果を判定したところ、PR 8例、SD 24例、PD 15例であった。PRとした8例のうち6例は肺転移、1例はリンパ節転移症例であった。【結論】
索引用語 肝細胞癌, ソラフェニブ