セッション情報 |
パネルディスカッション15(消化器がん検診学会・消化器病学会合同)
超音波による癌のカテゴリー判定をめぐって
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タイトル |
検PD15-5:肝細胞癌における超音波カテゴリー分類を用いた判定ついて
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演者 |
小来田 幸世(市立池田病院・消化器内科) |
共同演者 |
関 康(市立池田病院・放射線科), 今井 康陽(市立池田病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】日本癌検診学会超音波部会よりカテゴリー分類による判定基準が示された。今回、組織学的に診断した肝細胞癌(HCC)において、超音波(US)カテゴリー分類による判定を行い、HCCスクリーニングにおける有用性と問題点を検討した。【対象と方法】B-mode USを施行し、手術あるいは生検にて組織学的に診断したHCC86結節を対象とした。内訳は高分化型HCC49結節(24結節は早期肝細胞癌と診断)、中低分化型HCC37結節である。早期HCCはいずれも乏血性で、他の高分化型、中低分化型HCCは多血性であった。腫瘍径は15mm以上が57結節、15mm未満(最小径9.2mm)が34結節。高分化型HCCでは15mm以上が26結節、15mm未満が23結節で、低中分化型HCCでは15mm以上が31結節、15mm未満が6結節であった。これら86結節を組織分化度別、大きさ別にカテゴリー分類により3(良悪性判定困難)、4(悪性疑い)、5(悪性)に分類した。装置は東芝Aplio、GELOGIQ7、E9を用いた。【結果】1)15mm以上57結節では3が5.2%、4が47.4%、5が47.4%であった。15mm未満29結節では3が69.0%、4が17.2%、5が13.8%であった。2)分化度別分類では、高分化型HCC49結節で3が36.7%、4が42.9%、5が20.4%、中低分化型HCC37結節で3が13.5%、4が29.7%、5が56.8%であった。早期HCC24結節では3が54.2%、4が37.5%、5が8.3%であった。【考察および結語】今回のカテゴリー分類では、15m以上のHCCの多くが4、 5に分類されHCCの拾い上げに有用であった。一方 15mm未満の腫瘍径の7割が カテゴリー3に属し 組織分化度別では高分化型HCC、特に早期HCCに3が多く見られた。びまん性病変のカテゴリー分類3と充実性病変分類の3が同時に存在する病変を4にすることにより更に精度は増すと考えられるが、最近F1-2の慢性肝炎からの発癌も増加しており、カテゴリー3の充実性病変の精査をどのように進めていくかが今後の課題と考えられた。 |
索引用語 |
超音波, カテゴリー |