セッション情報 パネルディスカッション15(消化器がん検診学会・消化器病学会合同)

超音波による癌のカテゴリー判定をめぐって

タイトル 消PD15-6:

膵管癌診断における腹部超音波がん検診基準の有用性と問題点

演者 河端 秀明(京都第二赤十字病院・消化器科)
共同演者 宇野 耕治(京都第二赤十字病院・消化器科), 安田 健治朗(京都第二赤十字病院・消化器科)
抄録 【目的】膵管癌における腹部超音波(US)所見の特徴から、がん検診基準の有用性と問題点を明らかにする。【対象と方法】2001. 1月~2012. 2月に当院でUSを行った141574例中膵管癌を370例に認め、そのうち外科的切除を施行した59例を対象とした。性別は男:22、女:37例、年齢は37~84歳(平均66.6歳)、存在部位はPh:35、Pb:14、Pt:10例、腫瘍径は8~120mm(平均35.4mm)であり TS1:12、TS2:30、TS3:12、TS4:5例であった。f-StageはI:6、II:6、III:24、IVa:16、IVb:7例であった。無症状例は27例(45.7%)であり、血液検査 (膵酵素、胆道系酵素、耐糖能、腫瘍マーカー)に異常を認めたのは 49例(83.0%)であった。膵管癌のUS所見をカテゴリー分類に基づき解析し、US偽陰性例の特徴を検討した。【成績】低エコー腫瘤像を48例(81.3%)、径5mm以上の嚢胞性病変を4例、3mm以上の主膵管拡張を29例、7mm以上の胆管拡張を24例、また7mm以上のリンパ節腫大を1例に認め、US所見陽性率は94.9%(56/59)であった。US所見陰性例3例のうち2例は腫瘍マーカーが高値であった。腫瘤が描出できなかった11例の内訳は、存在部位がPh:6、Pb:2、Pt:3例、腫瘍径が8~70mm(平均30.3mm)であった。腫瘤描出を困難にした因子を検討したところ、病変部描出不良が9例で最も多く、その他、微小病変、粗な背景膵、背景膵とのコントラスト不足が原因として挙げられた。【結論】USがん検診基準は切除可能膵管癌の拾い上げに有用と考えられる。膵全体の描出が困難であった場合には、その旨を所見に記載し、症状、血液検査、および膵管癌の危険因子の有無などを加味して、精密検査の必要性を判定すべきである。
索引用語 膵管癌, 腹部超音波