セッション情報 |
パネルディスカッション16(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
上部消化管癌に対する鏡視下手術の長期成績
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タイトル |
外PD16-2:胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の長期成績
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演者 |
李 相雄(大阪医大・一般・消化器外科) |
共同演者 |
野村 栄治(大阪医大・一般・消化器外科), 内山 和久(大阪医大・一般・消化器外科) |
抄録 |
【目的】早期胃癌を中心に施行してきた腹腔鏡下胃切除術の治療成績を示し、その妥当性を検証する。【対象】2000年4月から2009年12月までにT2(MP)N1までの根治可能な胃癌症例に対して腹腔鏡下胃切除を行った601例を対象とした。【結果】観察期間中央値60カ月。男性392例、女性209例。平均年齢64歳。術式:幽門側胃切除305例、幽門保存胃切除148例、分節胃切除42例、噴門側胃切除53例、胃全摘27例、胃局所切除26例。リンパ節郭清程度:D0:26例、D1:42例、D1+a:144例、D1+b:316例、D2:73例。総合胃壁深達度:T1:511例、T2:37例、T3:45例、T4a:8例。総合病期:IA:478例、IB:47例、IIA:44例、IIB:19例、IIIA:8例、IIIB:3例、IIIC:2例。再発例:異時性残胃多発癌8例、残胃局所再発1例、肝転移4例、骨転移1例、腹膜播種再発7例、リンパ節再発2例。5年全生存率:IA:94.2%、IB:87.4%、IIA:80.8%、IIB:69.6%。5年無病生存率:IA:89.9%、IB:82.7%、IIA:70.7%、IIB:63.1%。【考察】病期IIAまでの胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の長期成績は、開腹胃切除例と比較して劣るものでなかった。一方、病期IIB以降における長期成績を論ずるには症例数が不足しており、その妥当性は未だ不明である。現在進行中である進行胃癌に対する腹腔鏡下手術の安全性と根治性に関する第III相試験の結果が待たれる。 |
索引用語 |
早期胃癌, 腹腔鏡下胃切除術 |