セッション情報 ワークショップ2 消化管疾患と代謝・栄養

タイトル WS3-03:

クローン病患者の栄養状態に関する検討

演者 藤田 浩(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 大井 秀久(今村病院 消化器内科), 鮫島 洋一(今村病院 消化器内科), 小野 陽平(今村病院 消化器内科), 牧野 智礼(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 小牧 祐雅(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 隈元 亮(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 岩下 祐司(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 橋元 慎一(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 山路 尚久(鹿児島大学病院 光学医療診療部), 瀬戸山 仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 船川 慶太(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 嵜山 敏男(鹿児島大学病院 光学医療診療部), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【目的】成分栄養療法(以下ED)は、本邦におけるクローン病の寛解導入、及び維持療法として広く用いられてきた。近年、抗TNF-α抗体や免疫調節薬などの新規治療法が導入され、クローン病治療に大きな成果を上げている。しかしながら、これらの治療が導入されてからのEDの適応やEDを受けている患者の栄養状態に関する報告は少ない。今回EDを行っているクローン病患者の活動性と栄養状態を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は今村病院消化器内科で治療中のクローン病患者95例のうち、2010年7月に末梢血、生化学検査を実施した89例。炎症指標としてCRPを、栄養指標として総蛋白(TP)、アルブミン(Alb)、総コレステロール(TC)、コリンエステラーゼ(ChE)値を選択し、それぞれの値と臨床的背景を比較した。【成績】全患者の男女比は59:30、平均年齢は40.3±11.9歳。病型はそれぞれ小腸型18、小腸大腸型66、大腸型5例。うち2010年1月から6月の6ヶ月間に少量でもEDを行った患者は67例(75.3%)であった。その男女比は44:23、平均年齢は39.1±11.1歳。病型は小腸型12、小腸大腸型52、大腸型3例。ED群と非ED群に分けるとED群は平均CRPが0.9と非ED群の0.4に比べて高く、Alb・TC・ChEも低い傾向にあった。さらに6カ月間平均ED熱量600kcal/日を維持した600kcal以上群とそれ以外(600kcal未満群)に分けると、平均CRPは600kcal以上群で0.7と600kcal未満群の1.1に比べ低い傾向にあったが、4つの栄養指標は全て600kcal以上群が低い傾向にあった。【結論】クローン病患者において、EDは活動性の高い患者に行われる傾向にあり、結果として栄養状態も不良であった。一方、平均ED熱量600kcal/日以上を半年以上継続している患者はCRPが低値で、EDを長期に継続することの重要性が示唆されたが、栄養状態の改善はなおも不十分であった。
索引用語 クローン病, 栄養