セッション情報 パネルディスカッション16(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

上部消化管癌に対する鏡視下手術の長期成績

タイトル 外PD16-4:

胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術(LADG)の長期成績

演者 李 慶文(順天堂大浦安病院・外科)
共同演者 福永 正氣(順天堂大浦安病院・外科), 永仮 邦彦(順天堂大浦安病院・外科)
抄録 【目的】胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術(LAG)に関しては、低侵襲性や安全性を含めた短期成績が徐々に解明されつつある。しかし、癌に対する標準術式として認められるためには長期成績の評価が必要である。当科では腹腔鏡下幽門側胃切除術(LADG)を導入後16年が経過した。今回、LADGにおける再発形式と長期成績についてretrospectiveに検討をおこなった。【方法】1996年9月から2011年12月までに当科にてLADGを施行された胃癌患者325例について、手術成績、術後短期成績および長期成績を検討した。開腹移行例と重複癌同時切除例は除いた。【成績】男性193例、女性132例。平均年齢63.2歳(33-87歳)。早期胃癌262例、進行胃癌63例。郭清は79例にD2郭清がおこなわれ、平均手術時間238.1分、出血量133.9ml、平均郭清リンパ節個数は31.9個であった。病理組織学検査では、pT1a 99例、pT1b 163例、pT2 37例、pT3 20例、pT4a 6例。pN0 259例、pN1 34例、pN2 24例、pN3a 7例、pN3b 1例。pStageはIA 229例、IB 43例、IIA 25例、IIB 10例、IIIA 9例、IIIB 6例、IIIC 3例であった。術後の経口開始日は平均2.9日で、術後合併症は26例(8%)に認められた。合併症のうちわけは縫合不全4例、吻合部出血4例、吻合部狭窄3例、SSI 5例、膵液漏3例等であった。5年overall survival(OS)は観察期間中央値39ヶ月でStage IIIB 66.7%、他のStageはすべて100%であった。5年disease-free survival(DFS)は、Stage IA 100%、IB 92.9%、IIA 100%、IIB 100%、IIIA 100%、IIIB 0%、IIIC 50%であった。再発例は計4例(うち1例生存) で、Stage IB 1例、IIIB 2例、IIIC 1例。再発形式は、大動脈周囲リンパ節転移1例、腹膜転移1例、骨転移1例、残胃再発癌1例であった。ポート部位の再発は1例も認めなかった。【結論】早期胃癌に対するLADGの長期成績は従来の開腹手術と比較して遜色ないものと考えられる。進行胃癌とくにStageIIIB以上の症例に対してはさらなる検討が必要である。
索引用語 腹腔鏡下胃切除術, 長期成績