セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 041:糞便を閉塞機転に発症した閉塞性腸炎の1例 |
演者 | 大礒 陽子(今給黎総合病院消化器内科) |
共同演者 | 古賀 哲也(今給黎総合病院消化器内科), 田島 誠一郎(今給黎総合病院消化器内科), 永井 利明(今給黎総合病院消化器内科), 大礒 陽子(今給黎総合病院消化器内科), 田村 智章(今給黎総合病院消化器内科), 今給黎 和幸(今給黎総合病院消化器内科), 犬塚 貞利(今給黎総合病院消化器内科), 税所 篤郎(今給黎総合病院消化器内科), 松元 淳(鹿児島県民総合保健センター), 坪内 博仁(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 症例は76歳,男性.約2週間前より排便がなく,腹痛が次第に増強するため,2010年12月下旬に当科外来受診した.腹部はやや膨隆認めるも,圧痛や筋性防御,反跳痛を認めず,腹部CT検査では大腸および小腸内にガス,および便塊貯溜を認めた.閉塞機転精査目的に下部消化管内視鏡検査施行した.S状結腸~下行結腸には黄色粘稠な便塊が貯留しており,下行結腸~横行結腸に一側性~全周性の緑褐色に変色した壊疽性の腸管粘膜を認めた.同部位では腸管ガスが貯留しており,洗浄およびガス吸引した.検査後より排便を認め,炎症反応,腹部症状も徐々に改善を認めた.絶食,補液および高気圧酸素療法を施行し,入院4日目に内視鏡検査再検した。前回認めた壊疽性粘膜は灰白色調となり,一部瘢痕化に伴う狭窄を呈していた.入院11日目の内視鏡検査再検では、病変部は縦走潰瘍を呈しており,また一部正常肉芽の形成を認めた.同日の注腸透視では脾彎曲部~横行結腸に一部全周性狭窄を認め,同部位に線状の縦走潰瘍を認めた.入院2週間後に食事摂取可能となり,経過良好につき退院となった.閉塞性腸炎の原因として宿便は稀であるが,向精神薬内服や長期臥床の老人,慢性的な便秘のある患者では,念頭に置き治療にあたるべきだと考えられた. |
索引用語 | 閉塞性腸炎, 糞便 |