| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 150:十二指腸ステント留置後に急性膵炎を発症した1例 |
| 演者 | 古賀 哲也(今給黎総合病院消化器内科) |
| 共同演者 | 永井 利明(今給黎総合病院消化器内科), 田島 誠一郎(今給黎総合病院消化器内科), 大礒 陽子(今給黎総合病院消化器内科), 田村 智章(今給黎総合病院消化器内科), 今給黎 和幸(今給黎総合病院消化器内科), 犬塚 貞利(今給黎総合病院消化器内科), 税所 篤郎(今給黎総合病院消化器内科), 松元 淳(鹿児島県民総合保健センター), 坪内 博仁(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学) |
| 抄録 | 症例は73歳女性。主訴は嘔吐。平成23年6月上旬ごろより嘔吐が出現したため前医受診。CTにて左腎盂癌、後腹膜浸潤および十二指腸下行脚から水平脚への浸潤・狭窄を認めたため、同日当院泌尿器科紹介入院となる。水分摂取が不可能なため通過障害改善を目的として当科紹介。W-EDチューブを留置し、経管栄養を開始した。腎盂癌の化学療法を行うも血液学的毒性出現のため中止となり、ステント留置目的で8月上旬当科紹介となる。既往歴、家族歴に特記事項なし。紹介時現症では眼球結膜に貧血を認めた。上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚から水平脚の狭窄を認めたが細径内視鏡の通過は可能であった。直視および側視内視鏡検査でもVater乳頭は確認されず狭窄部内に位置していると考えられた。小腸造影を行ったところ、回盲部へ5分程度で到達し小腸の動きは良好で、他に狭窄部を認めなかった。生命予後が3カ月との主治医の判断を基に十二指腸ステントの適応と判断し、WallFlex Duodenal Stent(長径6cm)を用いて留置術を施行した。留置術は問題なく終了したが、翌日上腹部痛あり、アミラーゼ:1662、リパーゼ:4900と上昇。CTでステント上端は乳頭部から離れており、主膵管の拡張はなく膵炎の所見は認めなかった。急性膵炎軽症の診断で治療を開始。同日午後には症状は改善し、膵酵素の低下も認めたため、ステントは抜去せず経過観察とした。翌日には症状消失、膵酵素も改善したため、流動食より開始し、現在5分粥で維持している。当科ではこれまでに十二指腸ステント留置を8例に施行しているが、留置後膵炎を初めて経験した。若干の文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 | 十二指腸ステント, 急性膵炎 |