| 共同演者 |
古賀 哲也(今給黎総合病院消化器内科), 永井 利明(今給黎総合病院消化器内科), 大礒 陽子(今給黎総合病院消化器内科), 田村 智章(今給黎総合病院消化器内科), 今給黎 和幸(今給黎総合病院消化器内科), 犬塚 貞利(今給黎総合病院消化器内科), 税所 篤郎(今給黎総合病院消化器内科), 松元 淳(鹿児島県民総合保健センター), 坪内 博仁(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学) |
| 抄録 |
(症例)58歳 男性(現病歴)2011年3月中旬より40℃の発熱が持続するため近医受診。WBC:23200 CRP:20と炎症反応の上昇を認めた。抗生剤点滴にて一時解熱したが、再度39℃台の発熱を認め、3月下旬に当科紹介受診。CTで肝右葉に径5cmの肝膿瘍を認め、加療目的で入院となる。抗生剤投与で解熱および肝膿瘍の縮小がみられ、退院。原因検索のための下部消化管内視鏡検査で、下行結腸にType2の腫瘍を認めた。手術待機中に下行結腸癌によるイレウスを発症し、再入院となる。(入院時所見)身体所見で腹部膨満を認める。WBC17740/μl,RBC460万/μl,Hb13.8g/dl,Plt38.9万/μl,CEA3.6 ng/ml,CRP1.81mg/dl 下部消化管内視鏡検査で下行結腸に全周性のType2の腫瘍を認め、生検で高分化型腺癌と診断した。CTでは、下行結腸腸管壁の肥厚がみられたが、リンパ節転移、遠隔転移は認めなかった。(入院後経過)経肛門的イレウスチューブ留置し、症状改善後腹腔鏡補助下左結腸切除+D3リンパ節郭清を施行した。第23病日退院し、 第65病日CTで肝膿瘍の消失を確認した。(考察)近年、大腸癌に併発した肝膿瘍の報告が散見されるようになってきた。今回、肝膿瘍を契機に発見された下行結腸癌の1例を経験したので文献的考察を含めて報告する。 |