セッション情報 一般演題

タイトル 086:

IFN至適投与量を下回るもSVRに至ったC型慢性肝疾患の2例

演者 大座 紀子(国立病院機構嬉野医療センター消化器内科)
共同演者 有尾 啓介(国立病院機構嬉野医療センター消化器内科), 福田 浩子(国立病院機構嬉野医療センター消化器内科), 福田 祥子(国立病院機構嬉野医療センター消化器内科), 白石 良介(国立病院機構嬉野医療センター消化器内科), 角川 淑子(国立病院機構嬉野医療センター消化器内科), 綱田 誠司(国立病院機構嬉野医療センター消化器内科), 古賀 満明(国立病院機構嬉野医療センター消化器内科)
抄録 【症例1】55歳,男性.近医採血で偶然肝酵素が400~500 IU/lと高値を示したため当院紹介入院.精査の結果,C型慢性肝炎と診断,IFN療法導入となった.採血でPlt 23.7万/μl,PT 130.0%,Alb 4.5g/dl,T-Bil 1.19 mg/dl,AST 276 IU/l,ALT 479 IU/l,HCV-Ab 12.51S/CO,HCV-RNA 7.3 logIU/l,genotype 2b,画像上肝癌の合併を認めず,PEG-IFN α2b+RBV併用療法を24週投与予定で開始した.採血上の副作用は目立たなかったものの,極度の不安,精神症状にてやむを得ず14週投与で投与終了とした.その後トランスアミナーゼ低値で推移した為,HCV-RNA量をフォローしたところ、投与終了から6ヶ月超,HCV-RNA陰性を維持していたためSVRと判定した.【症例2】67歳,男性.1990年頃偶然HCV陽性を指摘され,以後近医で肝庇護剤の処方を受けていた.IFN治療目的に当院紹介受診.採血でPlt 6.5万/μl,PT 68.7 %,Alb 3.2g/dl,T-Bil 0.93mg/dl,AST 84 IU/l,ALT 83 IU/l,HCV-RNA 6.2 logIU/l,genotype 1b,画像上肝癌の合併を認めず,肝硬変の所見と食道静脈瘤の内視鏡所見を認めた.C型肝硬変の診断にてPEG-IFN α2a少量長期投与を開始したが,間質性肺炎の合併あり投与11ヵ月後にIFN投与を終了した.その後トランスアミナーゼやAFPが低値で推移した為,HCV-RNA量をフォローしたところ、投与終了から6ヶ月超,HCV-RNA陰性を維持していたためSVRと判定した.【考案】IFN投与量が十分でないにもかかわらず,投与終了後6ヶ月以上HCV-RNA陰性化した経過のC型慢性肝疾患の2例を経験した.Protease阻害薬導入が目前に迫っているが,非対象症例や導入までの維持投与としてPEG-IFN+RBV併用療法やPEG-IFN少量長期投与は有効であると考えられる.
索引用語 C型慢性肝炎, IFN療法