セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 034:原発性小腸軸捻転症の1例 |
演者 | 柴田 良仁(健康保険諫早総合病院 外科) |
共同演者 | 稲益 英子(健康保険諫早総合病院 外科), 田渕 聡(健康保険諫早総合病院 外科), 扇玉 秀順(健康保険諫早総合病院 外科), 小松 英明(健康保険諫早総合病院 外科), 村岡 昌司(健康保険諫早総合病院 外科), 山口 広之(健康保険諫早総合病院 外科), 君野 孝二(健康保険諫早総合病院 外科) |
抄録 | 原発性小腸軸捻転症を経験したので報告する.患者:58歳,女性.主訴:腹痛,嘔吐.現病歴:2011年03月中旬より腹痛,嘔吐認め次第に増強するため当院受診.腹部所見で膨隆や緊満ないが全体に圧痛認めた.既往歴:2000年胆嚢摘出術.2010年S状結腸癌手術.家族歴:特記事項なし.検査結果:血液検査で異常認めず.腹部CTで上腸間膜動脈を中心に小腸、小腸間膜が時計回りに回転していた(whirl sign).小腸軸捻転症の診断で緊急手術施行.手術所見:癒着は認めず.乳糜腹水を少量認め,小腸が上腸間膜動脈を軸に時計回りに360度回転していた.小腸に軽度の血流障害認めたが捻転解除後血流障害は改善したため腸切除は行わなかった.術後経過良好で,術後16日目に退院した.小腸軸捻転症は,腸管回転異常や腸間膜固定不全などの先天異常によるもの,癒着や腫瘍,憩室などによる二次性のもの,解剖学的異常や基礎疾患を有さない原発性のものに分類される.原発性小腸軸捻転症の発生原因は解剖学的特徴として腸間膜が長く,腸間膜根部の幅が狭いことが指摘されていて,また異常な食事摂取,過食も原因としてあげられている.インド,アフリカなどは本症の発生頻度の高い地域とされているが,本邦においては稀な疾患である.若干の文献的考察を含め報告する. |
索引用語 | 上腸間膜動脈, whirl sign |