セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 070:十二指腸球後部潰瘍が穿通し胆嚢動脈に形成した仮性動脈瘤に対してGDCコイルを用いた経カテーテル的動脈塞栓術が有用であった一例 |
演者 | 森 慎一郎(公立八女総合病院 内科) |
共同演者 | 永松 洋明(公立八女総合病院 内科), 澤田 昌幸(公立八女総合病院 内科), 平井 真吾(公立八女総合病院 内科), 丸岡 浩人(公立八女総合病院 内科), 城野 智(公立八女総合病院 内科), 徳安 秀紀(公立八女総合病院 内科), 立石 秀夫(公立八女総合病院 内科), 吉田 博(公立八女総合病院 内科), 佐田 通夫(久留米大学 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】十二指腸球後部潰瘍による大量出血は、しばしば内視鏡による治療に難渋することも多い。今回、GDCコイルを用いた動脈塞栓術が十二指腸球後部に穿通した仮性動脈瘤の塞栓に有用であった症例を報告する。【症例】81歳男性。高血圧、糖尿病の診断で近医にて加療中、2011年2月28日にタール便を認め、消化管出血疑いで当院救急搬送となった。上部消化管内視鏡検査にて十二指腸球後部潰瘍を認め出血源と考えられたが、潰瘍底の観察は困難であり、HSE局所注射による保存的加療を行なった。3月3日、貧血進行あり再度内視鏡を行なったところ、潰瘍底より胆汁漏出を伴う瘻孔と径8mm大の拍動する露出血管を認めた。同日施行した腹部造影CTにて十二指腸潰瘍穿通による総胆管十二指腸瘻及び胆嚢動脈仮性動脈瘤と診断した。内視鏡、外科的治療とも困難と判断されたため、3月4日に血管造影を施行した。胆嚢動脈に仮性動脈瘤を認め、マイクロカテーテルを動脈瘤内に挿入し、GDCコイルを用いて動脈瘤のみを塞栓し得た。動脈瘤は血栓化し、十二指腸に落下した。その後再出血は認めず、潰瘍底も徐々に縮小し十二指腸総胆管瘻も閉鎖した。食事開始後も問題なく経過し、退院となった。【まとめ】仮性動脈瘤を塞栓する場合、末梢側から動脈瘤を含めて塞栓することが一般的であるが、胆嚢動脈が終末動脈なため動脈瘤のみの塞栓が必要であった。仮性動脈瘤は壁が脆弱なため通常のコイルでは破裂の危険性があるが、脳動脈瘤塞栓に用いられるGDCコイルが腹部血管にも使用可能となったため今回使用した。GDCコイルは先端が柔らかく、着脱の調節が可能なため仮性動脈瘤内も安全に使用することが可能であった。腹部仮性動脈瘤の治療にGDCコイルは有用であった。 |
索引用語 | 胆嚢仮性動脈瘤, コイル塞栓 |