セッション情報 一般演題

タイトル 156:

腹腔鏡下胆嚢摘出術時の腹腔内落下結石により腹腔内膿瘍を形成した1例

演者 荒瀬 光一(産業医科大学 第一外科)
共同演者 田嶋 健秀(産業医科大学 第一外科), 柴尾 和徳(産業医科大学 第一外科), 山口 幸二(産業医科大学 第一外科)
抄録 症例は69歳、女性。胆嚢結石症の診断で腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。術中胆嚢壁を損傷し、腹腔内に胆汁が漏出したが可及的に回収し、術後経過良好で退院した。術後3ヶ月目に臍開腹創周囲の発赤・排膿、微熱を主訴に再診した。外来で臍開腹創を切開排膿し、内服抗生剤投与したが改善せず、腹部造影CTで臍右上部と臍切開創直下の腹腔内に落下結石を疑う石灰化とその周囲の膿瘍を認めた。前回腹腔鏡下胆嚢摘出術時の落下結石による腹腔内膿瘍と診断し、開腹ドレナージ術を予定した。CTを参考に、術直前にエコーで落下結石を確認して皮膚にマーキングした後手術を開始した。臍周囲・臍右上の膿瘍を開放し、膿汁と3~6mm大の黒色石を回収した。手術終了直後にCTを施行し、術前認めた落下結石を疑う石灰化が全て摘出されている事を確認した。術後経過は良好で現在まで再発を認めていない。今回我々は腹腔鏡下胆嚢摘出時の腹腔内落下結石による腹腔内膿瘍の1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 落下結石, 腹腔内膿瘍