セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研71:

胃リンパ上皮腫様癌 ( Lymphoepithelioma-like carcinoma )の1例

演者 重野 里代子(長崎医療センター 外科)
共同演者 野中 隆(長崎医療センター 外科), 釘山 統太(長崎医療センター 外科), 渡邊 健人(長崎医療センター 外科), 町野 隆介(長崎医療センター 外科), 朝長 哲夫(長崎医療センター 外科), 徳永 隆幸(長崎医療センター 外科), 遠山 啓亮(長崎医療センター 外科), 蒲原 行雄(長崎医療センター 外科), 前田 茂人(長崎医療センター 外科), 永田 康浩(長崎医療センター 外科), 田川 努(長崎医療センター 外科), 伊東 正博(長崎医療センター 臨床検査科), 藤岡 ひかる(長崎医療センター 外科)
抄録 【はじめに】リンパ上皮腫様癌は、濾胞形成・高度リンパ球浸潤を伴う低分化癌で、nasopharyngeal carcinomaと組織学的形態が類似し、消化管にも発生することがある。【症例】40歳代、男性。吐血・黒色便を主訴とし来院した。胃内視鏡検査にて胃体上部~中部小彎側に3型腫瘍を認め、組織診断はGroup5, poorly differentiated adenocarcinomaであった。胃全摘術+脾臓摘出術 (D2郭清)を施行したが、摘出標本の組織診断では胃リンパ上皮腫様癌であった (異型腺管の管状~索状増殖、リンパ濾胞を伴ったリンパ球性間質が豊富)。深達度はSS、リンパ節転移は認めなかった。また、in situ hybridizationでEBER (Epstein-Barr virus -encoded RNA)陽性が確認された。術後経過は良好で、現在外来にて経過観察中である。【まとめ】胃リンパ上皮腫様癌は著明なリンパ球浸潤を伴う特徴的な組織像を呈し、予後は通常の胃癌と比較し良好と言われている。また、自験例のようにEB virusの関与が示唆されており、胃癌の特殊型に分類されている。今回、稀な胃リンパ上皮腫様癌を経験したので、当センターでこれまでに経験した症例とともに若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 胃癌, ウイルス