| セッション情報 |
ワークショップ4「進行肝細胞癌の治療戦略」
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| タイトル |
WS4-06:Stage IV進行肝細胞癌の治療戦略―Sorafenibとリザーバー化学療法の何れを選択すべきか―
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| 演者 |
田尻 博敬(飯塚病院肝臓内科) |
| 共同演者 |
矢田 雅佳(飯塚病院肝臓内科), 千住 猛士(飯塚病院肝臓内科), 本村 健太(飯塚病院肝臓内科), 小柳 年正(飯塚病院肝臓内科), 増本 陽秀(飯塚病院肝臓内科) |
| 抄録 |
背景と目的:Child-Pugh AのStage IV進行肝細胞癌 (HCC) 84例を解析し、Sorafenib治療とリザーバー化学療法の選択基準を検討した。方法:対象は1ヵ月以上治療を継続したHCC (Stage IVa 42例、IVb 42例)で、リザーバー化学療法70例、Sorafenib治療14例である。Stage IVa症例に対しては動注化学療法 (HAI)またはSorafenib治療を施行した。Stage IVb症例に対してはHAI、中心静脈リザーバーによる全身化学療法 (CVI)、HAI先行後CVIに切り替えるHAI&CVI、またはSorafenib治療を施行した。HAIとしてNew FP変法またはLow dose FP (LFP)変法を用いた。New FP変法は動注リザーバーからアイエーコール50 mgのリピオドール懸濁液を動注後5-FU 300~400 mg/24hrを5日間注入した。LFP変法は同様にCDDP 20 mg投与後5-FUを5日間注入した。CVIは中心静脈リザーバーからCDDP 20 mg投与後5-FUを5日間注入した。いずれも2日休薬後3~4週間繰り返し、さらに2~4週間休薬後に可能な限り継続した。HAI&CVIではHAI導入後2~5ヵ月でCVIに移行した。Sorafenibは200~800 mgを連日投与した。結果:Stage IVaのoverall survival timeは、Sorafenib治療がMST 245日 (1年生存率 21%、2年生存率 0%)、LFP変法がMST 185日 (1年生存率 31%、2年生存率 10%)、New FP変法はMST 999日 (1年生存率 63%、2年生存率 50%)であり、New FP変法によるHAIの生存期間が有意に良好であった (それぞれp=0.0190、0.0048)。Stage IVbのMSTは、HAI 207日、CVI 246日、HAI&CVI 410日、Sorafenib治療592日であり、HAIに比してHAI&CVIとSorafenib治療の生存期間が有意に良好であり (それぞれp=0.0097、p=0.0040)、HAI&CVIとSorafenib治療の間に有意差を認めなかった。結論:治療効果とQOLを勘案し、Stage IVaにはNew FP変法によるHAI、Stage IVbにはSorafenib治療が推奨される。 |
| 索引用語 |
Sorafenib, リザーバー化学療法 |