セッション情報 |
専修医発表(卒後3-5年迄)
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タイトル |
専31:胃過形成性ポリープに早期胃癌および胃腺腫を合併した一例
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演者 |
神下 耕平(唐津赤十字病院) |
共同演者 |
鶴岡 ななえ(唐津赤十字病院), 徳田 保教(唐津赤十字病院), 野田 隆博(唐津赤十字病院), 今村 達也(今村医院) |
抄録 |
【はじめに】胃過形成性ポリープに癌や腺腫を合併することは、頻度は高くないものの、時折経験することである。今回我々は、隣接する胃過形成性ポリープ内にそれぞれ胃癌および腺腫を合併し、一括ESDにて治癒することができた症例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】74歳男性。H15年に近医で行った上部消化管内視鏡検査にて、体中部後壁にポリープを指摘され、生検にて胃過形成性ポリープの診断であった。その後、H16年、20年と同様に検査を受け、病理学的に変化を認めていなかった。H23年6月、同ポリープのフォロー目的に検査を受けたところ、生検にてgroup4の診断となったため、精査加療目的に7月11日当院を紹介受診となった。精査行ったところ、2つの近接した胃過形成性ポリープにそれぞれ早期胃癌および腺腫を合併していると判断し、8月10日に当科へ入院となり、一括ESDを行った。特に合併症なく治療は終了し、60×50mmの切除切片を得た。病理学的検査結果は、近接しているものの別個の胃過形成性ポリープ内に、15×10mmの範囲でtub1を合併しているものと10×10mmの範囲でadenomaを合併しているものがそれぞれ存在していた。切除断端は水平・垂直ともに陰性であり、明らかな脈管侵襲はみられず、適応拡大治癒切除の結果であった。【結語】一度胃過形成性ポリープと診断がついたものであっても、癌合併を念頭に定期的な検査は重要であり、大きさや形態変化など生じた場合には、内視鏡的治療も考慮する必要があると考えられた。 |
索引用語 |
ESD, 早期胃癌 |