セッション情報 |
研修医発表(卒後2年迄)
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タイトル |
研72:多発骨格筋転移により下肢の静脈還流障害を来した進行胃癌の1例
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演者 |
林田 拓也(佐世保市立総合病院) |
共同演者 |
原口 雅史(佐世保市立総合病院), 法村 大輔(佐世保市立総合病院), 小澤 栄介(佐世保市立総合病院), 福田 英一郎(佐世保市立総合病院), 山尾 拓史(佐世保市立総合病院) |
抄録 |
【はじめに】多発骨格筋転移により下肢の静脈還流障害を来した進行胃がんの1例を経験したため若干の文献的考察を含め報告する。【症例】44才、男性【主訴】両下肢腫脹、全身リンパ節腫脹【生活歴】飲酒 歴ビール350ml/day 20年間【現病歴】生来健康。2011年7月下旬に左膝窩裏と左鼠径部のリンパ腫腫脹を自覚し近医受診。診察上、全身リンパ節の腫大を認めたため同日、当院血液内科初診。単純CTでは頸部から膝窩にかけて全身のリンパ節腫大を認めるとともに胃体部から角部後壁にかけて壁肥厚及び層構造が不明瞭となっていたため、8月上旬に上部消化管内視鏡検査を施行。胃体下部から前庭部小弯にかけて壁伸展の不良を認めるともに、生検でsignet ring cell carcinoma, poorly differentiated adenocarcinomaが指摘された。また、造影CTを施行したところ後頸部、右背部、両側骨盤部、右下肢、左膝窩の筋肉に結節状に造影される病変が多発していることが確認されたため、当院整形外科に筋生検を施行していただいたところadenocarcinomaが検出されたため、進行胃がん及び多発筋転移・リンパ節転移の診断となった。右下肢及び左膝窩の筋転移については、それぞれ左右総腸骨静脈の分岐部、左膝窩静脈に浸潤しており静脈還流障害が原因で両下肢腫脹を来していると考えられた。全身転移を伴う進行胃癌に対し、8月中旬から化学療法:S-1+CDDP療法を開始し現在も経過観察中である。 |
索引用語 |
進行胃癌, 筋転移 |