セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 039:タクロリムスが著効し,ステロイド依存から脱却できた潰瘍性大腸炎の1例 |
演者 | 渡邊 聡(佐賀大学医学部消化器内科) |
共同演者 | 山口 太輔(佐賀大学医学部消化器内科), 宮原 貢一(佐賀大学医学部消化器内科), 藤瀬 剛弘(佐賀大学医学部消化器内科), 下田 良(佐賀大学医学部光学医療診療部), 坂田 祐之(佐賀大学医学部消化器内科), 岩切 龍一(佐賀大学医学部光学医療診療部), 藤本 一眞(佐賀大学医学部消化器内科) |
抄録 | 症例は49歳女性。33歳時に下血、下痢にて発症し、他医にて全結腸型潰瘍性大腸炎と診断された。33歳・39歳・40歳・46歳時に症状の増悪があり、ステロイド加療にて軽快していた。その後もステロイドで維持されていたが,48歳時に再燃した。ステロイド増量に抵抗性であり、症状の改善が認められなかったため当院に紹介された。当院にて白血球除去療法を行い症状は一時改善していたが、治療後5か月で再燃した。再燃後の白血球除去療法の効果は低く、下血が続き内視鏡的にも活動期潰瘍性大腸炎の所見が持続していたためタクロリムス導入目的に入院となった。入院にてタクロリムス導入したところ症状は速やかに改善した。治療域のトラフ値を2週間維持した後、外来にて6mg/day内服でトラフ値7.7ng/mlを3か月間継続した。タクロリムス開始後ステロイドは漸減した。現在はステロイドから完全に離脱でき、症状、内視鏡的ともに寛解を維持している。 タクロリムスは難治性潰瘍性大腸炎に対して高い治療効果が認められる薬剤である。今回、タクロリムスが著効しステロイド依存から脱却し、寛解を維持できている潰瘍性大腸炎の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, タクロリムス |