セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専33:吐血を契機に発見された胃腺扁平上皮癌の1例 |
演者 | 齊藤 宏和(済生会熊本病院消化器病センター) |
共同演者 | 江口 洋之(済生会熊本病院消化器病センター), 井戸 佑美(済生会熊本病院消化器病センター), 鈴木 博子(済生会熊本病院消化器病センター), 杉原 一明(済生会熊本病院消化器病センター), 須古 信一郎(済生会熊本病院消化器病センター), 藤山 俊一郎(済生会熊本病院消化器病センター), 吉田 健一(済生会熊本病院消化器病センター), 上原 正義(済生会熊本病院消化器病センター), 今村 治男(済生会熊本病院消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院消化器病センター) |
抄録 | 症例は63歳の男性。自宅で吐血し当院救急搬送となり、上部消化管内視鏡検査で幽門前庭部に中央に潰瘍を形成し、易出血性で腫瘍自体に厚みのある全周性の2型進行胃癌を認めた。生検の結果、腺癌成分とともに、腫瘍細胞が充実胞巣状に増殖し、一部で異常角化像や細胞間橋を認めた。本例では扁平上皮癌成分を1/4以上含んでおり、腺扁平上皮癌と診断した。腹部造影CTで腫瘍は膵および肝に直接浸潤しており、傍大動脈リンパ節転移を認めた。StageIVの進行胃癌であったため全身化学療法(TS-1+Docetaxel)を開始したが、Grade3の有害事象(骨髄抑制、発熱)を認めたため約1か月で中止となった。その後、腫瘍からの再出血を認めたため、RCCを計12単位輸血し保存的に加療した。しかし病変部で完全狭窄していたため胃空腸バイパスおよび腸ろう造設を施行し、緩和医療の方針となった。 腺扁平上皮癌は胃癌取扱い規約では特殊型胃癌に分類される。発生頻度は0.41~1.3%と報告されており、稀な組織型である。腺扁平上皮癌は発見時には進行例が多く、組織学的悪性度が高いため、多臓器転移や多様なリンパ節転移が多い。そのため全身化学療法を含めた集学的治療が必要であることが多く、一般型腺癌と比較して予後不良である。 今回我々は稀な胃原発腺扁平上皮癌の1例を経験したため文献的考察を含め、報告する。 |
索引用語 | 腺扁平上皮癌, 高悪性度 |