セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 専23:2型自己免疫性肝炎の1例 |
演者 | 四本 かおる(福岡大学病院) |
共同演者 | 土屋 直壮(福岡大学病院), 國本 英雄(福岡大学病院), 福永 篤志(福岡大学病院), 櫻井 邦俊(福岡大学病院), 岩下 英之(福岡大学病院), 平野 玄竜(福岡大学病院), 上田 秀一(福岡大学病院), 森原 大輔(福岡大学病院), 横山 圭二(福岡大学病院), 西澤 新也(福岡大学病院), 竹山 康章(福岡大学病院), 坂本 雅晴(福岡大学病院), 入江 真(福岡大学病院), 岩田 郁(福岡大学病院), 釈迦堂 敏(福岡大学病院), 早田 哲郎(福岡大学病院), 向坂 彰太郎(福岡大学病院) |
抄録 | 症例は69歳女性。高脂血症、骨粗鬆症のため近医で内服加療されていた。2011年3月5日に定期受診した際、血液検査にてAST:496 IU/l、ALT:1044 IU/lと肝酵素の上昇を認め、薬剤性肝炎を疑われ内服を全て中止された。3月12日にはAST:403、ALT:685と改善傾向であったが3月22日にはAST:793、ALT:1191と再上昇したため近医へ入院となった。入院後精査にてA型、B型、C型肝炎ウイルス感染は否定的であった。抗核抗体陰性であり、IgG:1525mg/dlと正常値であった。抗ミトコンドリア抗体、M2抗体陰性であり、また外来処方されていた内服薬に対するDLSTの結果も陰性であった。入院後は徐々に肝酵素改善傾向であったが、4月12日に再びAST:1047、ALT:1129と増悪したため、肝機能異常に対する精査・加療目的にて4月15日に当院へ転院となった。 当院入院時の検査結果はAST:357、ALT:627、IgM-MA抗体(-)、HBs抗体(-)、HCV抗体(-)、HEV-RNA定量:100未満、サイトメガロ/IgM:0.29、EBVCAIgM:<10、銅:86μg/dl、抗核抗体<40、抗ミトコンドリアM2抗体:<5、抗平滑筋抗体(-)、抗LKM1抗体(+)、HLA-DR4であった。腹部エコーでは慢性肝疾患のパターンであった。肝生検の所見では、著明な壊死炎症反応があり、interface hepatitis、門脈域への炎症細胞の浸潤、肝細胞のロゼット配列を認めた。以上の結果より自己免疫性肝炎(AIH国際診断基準スコア:13)が最も考えられた。4月26日よりステロイド(プレドニン30mg/day)開始した。しかし、肝機能酵素の改善なく免疫抑制剤(アザチオプリン50mg)を併用し改善傾向となった。免疫学的結果より2型自己免疫性肝炎と診断した。 成人発症の2型自己免疫性肝炎という稀な疾患を経験したので若干の考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 肝臓, 自己免疫性肝炎 |