セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
134:高コレステロール血症と高カルシウム血症を伴った肝細胞癌の1例
|
演者 |
岩下 英之(福岡大学消化器内科) |
共同演者 |
国本 英雄(福岡大学消化器内科), 四本 かおる(福岡大学消化器内科), 平野 玄竜(福岡大学消化器内科), 櫻井 邦俊(福岡大学消化器内科), 上田 秀一(福岡大学消化器内科), 横山 圭二(福岡大学消化器内科), 森原 大輔(福岡大学消化器内科), 坂本 雅晴(福岡大学消化器内科), 竹山 康章(福岡大学消化器内科), 入江 真(福岡大学消化器内科), 岩田 郁(福岡大学消化器内科), 釈迦堂 敏(福岡大学消化器内科), 早田 哲郎(福岡大学消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学消化器内科) |
抄録 |
症例は61歳の男性。肝細胞癌(HCC)に対し2008年よりラジオ波焼灼術や肝動脈塞栓術を繰り返し受けていた。しかし、治療抵抗性となり、急速な腫瘍の増大が認められたため、2011年6月に当院に入院となった。入院時検査所見は、WBC 6,600/μl, Hb 13.9 g/dl, Plt 26.2万/μl, プロトロンビン活性 83%, Alb 3.3 g/dl、T.Bil 0.9 mg/dl、AST 117 IU/l、ALT 32 IU/l、LDH 222 IU/l、ALP 318 IU/l、γ-GTP 431 IU/l、総コレステロール236 mg/dl, LDLコレステロール162 mg/dl, カルシウム11.3 mg/dl, PTHrP 2.6 pmol/l, AFP 309,500 ng/ml、PIVKA-II 72 mAU/ml, HCV陽性。腹部CTでは肝内に多発する巨大なHCCを認めた。シスプラチンと5-FUによる動注化学療法を開始し、高カルシウム血症に対してはパミドロン酸二ナトリウムを投与した。本症例は、腫瘍の増大に伴って血清コレステロールとカルシウムが上昇したこと、画像診断にて胆管閉塞所見がないこと、血清PTHrPが高値を示したことから、高コレステロール血症と高カルシウム血症は腫瘍随伴症候群(PNS)であると考えた。HCCに見られるPNSとして、高コレステロール血症、低血糖、高カルシウム血症、多血症などが知られているが、同時に二つのPNSを示すHCCは稀であり報告する。 |
索引用語 |
肝細胞癌, 腫瘍随伴症候群 |